焼き芋追慕

年老いた
街角で
ひび割れた
ビルの
親指あたりに
腰かけて

黄金の延べ棒を
ぎゅっと握りしめ
黄金の延べ棒に
ゆっくり
ゆっくり
息ふきかけて
黄金の延べ棒を
大事に
大事に
噛みしめて
たった
それだけのことに
喜びを
噛みしめて
喉につっかえ
逆流した
喜びが
瞳から
思わずこぼれ落ちた

あの日は
確か
幸せだった気がする
記憶は
上書きされて
擦り切れて
はっきりとはしていないが
確かに
確かに
幸せだった気がする

投稿者

高知県

コメント

  1. お芋のあたたかさや甘さがしみわたりました。
    “年老いた/街角” のフレーズ、素敵です。

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