非線形方程式
父
伯父、そして伯母
一人
また一人
川面に仕掛けられた花火が
一瞬で花開く
まばゆい光の先に
残る色彩
また一輪
ヒュルヒュルと
打ち上げられた一輪が開き
再び闇が来る
堤防に座って風を嗅ぐ
対岸は夜闇の向こうで
見通せない
昨年見送った飼い猫
ひと際長い音を引き
うねり昇った花火が はじける
こだまする音
チリチリと燃え
舞い散る火花
一年
見えないまま近づく
あの岸への距離
また一輪 開く花火が
この岸を照らす
コメント
この詩では、大切な思いを花火に託している感じがして、鎮魂の花火というのを思います。そういうことを思わせてくれる 詩だなあ、と感じました。すてき。
こちらの岸から眺めている花火、近いようで遠くにあるような。やがて悲しき花火かな、そして淋しさも。
花火、火花
フォーカスが変わるところに目が行きました。
それぞれの情景が控えめに弾けている様がとても綺麗でした。
@こしごえ さん、コメントありがとうございます。
向こう岸からも花火が見えているといいなぁと思いました。
@野鳥倶楽部 さん、コメントありがとうございます。
見送った人のことを考える淋しさもあり、時間が無情に過ぎる淋しさもあり。
でも自分もあちら岸に近づいていると思えば、何か紛れるような気もします。
@たちばなまこと さん、コメントありがとうございます。
ドーンと咲いた花火の後に、チリチリと散る火花が好きだったりします。
線香花火も、あのチリチリとした火花がだんだん小さくなって、最後にポトリと落ちる様がいいなぁ、と。
宇宙的尺度で見れば人の一生の時間は花火のように短いですね。その短い時間に花火のように美しい花を咲かせて、見る人の心に残れば。
この難タイトルに、こういうアプローチもあるのかと思わせられました。ウチの地域では年中花火をやってますが、その一輪一輪を見るたびにこの詩を思い出して泣いちゃうかもしれません。
お盆、彼岸と此岸、生命の儚さと花火。お見事ですね。
光と闇の行ったり来たりがすごく綺麗で、そしてかなしいです。
心に響く詩でした。
@たかぼ さん、コメントありがとうございます。
自分がいなくなった後にも誰かが思い出してくれたら…そんな風に生きたいですね。
@トノモトショウ さん、コメントありがとうございます。
丁度、お盆のころの旅行先で、地域の花火大会を見たことがありました。
ポツン、ポツンと間延びした間隔で打ち上げられる花火大会は、色々と物思わせられる時間でした。
@あぶくも さん、コメントありがとうございます。
お題に参加しようともなかなか浮かばず、丁度お盆だなというところで何とか作れました。ありがとうございます。
@あまね さん、コメントありがとうございます。
亡くなった人を偲ぶのは、悲しみつつも経過した時間の優しさもあるかなぁ、と最近思います。