完全変態ビーズ刺繍  (■『非線型方程式』クレジット付)

 
打ち付けられる金属製の杭の振動が
音叉の役目を引き受けている
渋谷の朝に放たれた彼らは
小さな亡骸を知らない
街角のあちらこちらでビーズが寄せられ
解かれ運ばれる行き先には
政治思想のビラ配り
フラッグに包まれた刺繍を
地図の草むらに落としてやる

尾根を挿す光の糸
カラビナにぶら下げたチタニウム
高嶺の花エフェクト
カルデラの凪に浮かべるボート
霧に運ばれる肢体が
香草にビーズを散らすジグザグで
命になろうとする

表面張力の下で終わりのつづきが敷き詰められてゆく

破られて踏みつけられて罵倒され
シーンは去る
土砂降りの紙飛行機
残された羽だけで風を待つ
 
 
 
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

お題『非線型(形)方程式』
ご参加ありがとうございました。
皆さんの作品に皆さんそれぞれの感想、考察などのコメントやり取りが活発にされていたのが嬉しく、楽しく。
普段より活発になるのは、同じタイトルをあの人はどう書くのかを読みたくなるからなのかなぁ。
公認お題企画は3年ぶりでしたけれど、各自企画して頂くのも面白いのではないかと。(*’▽’)ノ

<参加者 敬称略> 19人 (抜けれいる方いらっしゃいましたら追記するのでお知らせください)
たけだたもつ、花巻まりか、トノモトショウ
大覚アキラ、りゅうさん、坂本達雄
こしごえ、たかぼ、たちばなまこと
wc.、草野まこと、那津
王殺し、あまね、あぶくも
野鳥倶楽部、イチカワナツコ、汀尋
3.5代目はリハッチャン

追記
(そうだ、明記しようと思ってたんだ)
タイトルの発案者はあまね氏です。
 

投稿者

東京都

コメント

  1. @たちばなまこと
    はじめまして。詩を読ませていただきました。渋谷再開発をシュールに表現され、その象徴を渋谷ストリームとして表現されたのかなぁと思いました。地図にも書き換えられる「完全変態」って感じてすね。
    とても面白かったです。
    ありがとうございました。

  2. 雑多な色や形のビーズを使った刺繍をイメージしました。
    きらきらして綺麗だけれども、どぎつさもある、ビーズが重そうな倦怠感ある刺繍です。

    お題と取り纏め、ありがとうございました。同じ題から、皆様の色々な、全く違う世界が広がることが面白かったです。

  3. 変態というと、蝶の変態を思い出すのですが、これは、それが、ビーズなんですね。その着眼点と、その詩的変換が見事だと思います。

    命になろうとする

    ずっと来て、ここが、特に好きです。

    『非線型(形)方程式』の企画など、ありがとうございました。楽しかったあ。ふふふ。

  4. キラキラしたイメージが最終連で一転するところの落差が良いなぁ。素敵でした。

    企画ありがとうございました。参加できて良かったです。

  5. ビーズに針を通すのにビーズの集まりに針をめくらうちするのですねあれは不思議な感覚ですでも人生もそのようなものですねあくまでもめくらうちですそれが楽しいのです。

  6. @3.5代目はリハッチャン
    さん
    初コメントありがとうございます。
    とっても嬉しいです!
    詩を書く時意味を固定しないことが多く、皆さんがどう感じたか読むのを楽しみにしております。
    渋谷は2034年まで再開発が続くそうです。
    変態真っ只中の骸を縫いながら通勤しています。

  7. @野鳥倶楽部
    さん
    ありがとうございます。
    今回(ぽえ会に)人が少ないのでネタバレしてみます。JRに向かう通りの柱の近くに蝶の亡骸があって、虫が分解後の粒子?に囲まれていました。
    その場所には政党のビラ配りをする人がよく立っています。

    初めてコメントし合うことが初めての手紙に似ていて心を温めました。

  8. @こしごえ
    さん
    ありがとうございます。
    玄関先の土にディルを植えると、すーぐアゲハが卵産みつけるんです。
    一度成虫になるのを見届けようとしたことあります。蛹のあと、いつの間にかいなくなっていました。
    羽化できたのか、外敵にやられたのか未だに不明です(笑)

    楽しかったですね。またやりましょう。

  9. @汀尋(ていじん)
    さん
    ありがとうございます。
    何事も多くの陰陽が同時に在ると感じています。
    アウトプットしてみると案外コントラストがはっきり見えるものなんですね。

    ご参加とても嬉しかったです。
    作品も素敵で。
    またよろしくお願いします!

  10. ビーズがアゲハ蝶の亡骸が分解されたもの、との説明はなるほどと思いました。私が一読して感じたのは、まずやはり渋谷駅の再開発工事現場の様子です。杭の振動が音叉になる、部分などで工事現場であることがすんなりと理解されました。完全変態とはまさに工事後の渋谷駅の景色を指すのでしょう。詩の核となるビーズの記載ですが、私はこれを東京都渋谷区ならではの多様な人々と捉えました。人間がいてこその渋谷の喧騒の景色。それが刺繍です。

  11. @坂本達雄
    さん
    ありがとうございます。
    坂本さん、ビーズ刺繍もなさるんですか?
    経験してないとなかなかめくらうちの概念出てこないと思うのです。
    自分は飽きっぽいので、手袋やブローチ程度の大きさまでしかチャレンジしたことないです。

  12. @たかぼ
    さん
    ありがとうございます。
    蒸された頭のヴィジョン、街がフラクタル状で各自がビーズの様だと感じました。
    朝は飲屋街を抜けて、JRの高架をくぐり、ひと足先に完成したスクランブルスクエアとヒカリエのアーバンコアを抜けます。
    私たちはそれぞれの役割に向かうわけですが、人々がビーズで軌跡が刺繍。工事現場は刺繍ミシンの様でもありますね。

  13. いきなり相当キモいこと言いますが(笑)、「ああ、これは自分のために書かれた詩だ」と感じてしまいました。言葉の選ばれ方や、壮大な音楽装置、ミクロとマクロ、現在と未来、都会と山岳、生物や無生物のビーズ描写、対比ではなく包含、限界ギリギリの美しさみたいなものが押し寄せて来て。

  14. @あぶくも
    さん
    いぇーーーいっ(ハイタッチ)
    深く読んで(感じて)くださってありがとうございます。
    中でも最もおおって思ったのが“包含”です。
    そうなんですよ。(←語彙どうした)
    意識では大きな空間のようなところに何でもかんでも浮遊してるんですけれど、当然ぽえ飲みのことなども在ります。
    地図の中に降り立とうとするときまず山頂だなぉ、みたいな。
    ネトフリの三体のことなども考えてました。今回の詩は絵を描くところと同じ感覚を使いました。

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