非線型方程式のためのマージービート
「私たちは破壊と創造を繰り返します。しかし破壊が創造を常にほんの少し上回ります。それが時間の正体ですか?」 そうだよ。だってはるかに楽な仕事じゃないか。尤もそれが宇宙の摂理に従っているってことは重要視されないんだよね。大事なことって大抵そんなものだ。(ハンバーガーを頬張りながら彼はそれが食べ尽くされる時間について考える) そもそも高い人は低いと言い、低い人は高いと言う。そして出来事ってものは(何百万年もの歴史の中だからね)いつか起きたことばかりなんだ。(どんな手を尽くしてもアンティキティラは1万年後には跡形もなくなる) 「それなら私はグーズベリーフィールズに行きます(西洋スグリを摘んでジャムにするの)」そう言い終えると彼女はノルウェイの木で作った家具に火をつけて燃やしてしまう。それこそが宇宙の摂理に従った行動だとは知る由もなく。
コメント
マージービート。
男女混合バンドの会話が交わらずともふらふらと寄り添いながら上昇してゆく様子を思い浮かべました。
ノルウェイの木で作った家具に火をつけて燃やしてしまうところが凄く好きです。(ギターを燃やすことも連想しました)
なかなかジョンレノンでした。
日本語題ではノルウェイの森で有名ですが(特に春樹村上によって)、実際燃やした(放火した)のはノルウェイの家具。
いやハッパに火をつけたって解釈もあるみたいですけど、ここはやっぱりやらせてくれない高飛車な彼女の部屋を燃やしたんだと僕は思う。ジョン・レノンだし。
で、ここでは彼女自身で燃やしてしまった。因果応報。いや自己完結。
現代のコンピュータ(含むAI)は跡形もなく失われたはず古代の計算機によって再構築され(for the loser now will be later to win)、天国はないただ空があるだけ。
リバプールの川のほとりでこの詩を味わいながら宇宙をアクロスするImagineしたくなりました。相変わらずたかぼっちの詩はうきうきさせるなあ。
グーズベリーフィールズ フォーエバー!
一つ破壊されることで、一つ生まれることが秩序としても、あれも欲しいこれも欲しいと欲深な現代です。たくさん得ているつもりが、ずっと残るものはどれだけあるか…。いらないもので溢れかえっている私は、ひと思いに燃やして、次に進む潔さが格好良く感じられ、得たものを引きずって行かずに、両手を空にしておかねば、新たに得ることもないのだろうなあ、と。
@たちばなまこと
男女の会話劇と捉えていただいてありがとうございます。とにかく男女ではものの見方が違いますのでその差が時間ですか? そうです。なんて。「非線型方程式」の期限にギリギリ2作目が間に合った形の、オマージュみたいに。
@王殺し
王殺しさんに全て解説していただいたようですね。さすがです。夏にしか買えない軽井沢のグーズベリージャムは最高です。
@野鳥倶楽部
今回のお題で私がずっと考えていたことは、おっしゃる通り、破壊と創造についてでした。野鳥倶楽部さんもその点に注目していだだいたいようで、ありがとうございます。
@王殺し
ちなみに、そのグーズベリージャムは軽井沢の万平ホテルの名産品ですが、万平ホテルは日本に来た時のジョンレノンの定宿でした。
@たかぼ
おー万平ホテルの!なるほど、長野県はスグリの名産地。
ボブ・ディランにフォース・タイム・アラウンドというビートルズのノルウェイの森をパロった曲があります。パロったというか皮肉ったやつです。
またロールオン・ジョンという追悼歌も。
そして男女のディファレンス詩の傑作といえばたかぼさんの「カオスな二人」も忘れられません。
たしかに時間軸は大きいのかもしれない。
ノルウェイの森のあの何をどうしてもどうにもならなかった感がよみがえってきました。創造しようとしている人間自身が、同時に何かを破壊している。直子を愛していても救えない。何かを創造しようとしても、同時に何かを壊してしまう。一つの選択を変えれば全部が良くなる、という保証もない。「もっとこうしていれば」という単純な答えが成立しないんですよね。またそのためのマージービートというところもすごいです。どうやったって解きようがないから「答えが分からないまま、人生の中を歩いていくための曲」が必要じゃないか、とりあえずビートルズを聴こうよと。
「私たちは破壊と創造を繰り返します。しかし破壊が創造を常にほんの少し上回ります。それが時間の正体ですか?」 そうだよ。
そもそも高い人は低いと言い、低い人は高いと言う。
破壊と創造の真理を言っているようですね。
たかぼさんは、優しい 頭の良さを 持っているお方だ。私にも、分かりやすく、詩を書いてくれる。
で、この詩の 登場人物?たちの 詩的会話(音楽)が、耳(こころ)に 心地好いです。
@王殺し
王殺しさんはロックに造詣が深いので勉強になります。昨今はサブスクで探した曲がすぐに聞けてしまうので聞いてみたいと思いました。たびたび「カオスな二人」を好きと言ってくださってありがとうございます!
@ザイチ
たしかに村上春樹の「ノルウェイの森」の主人公二人の、かみあわない、やりきれない感じが、この詩に多少なりともあるとしたら、それをザイチさんに感じていただけたとのことで、ありがとうございます。
@こしごえ
埴谷雄高の死霊を読まれたこしごえさんには物足りないかもしれませんが、私のこの詩は割と難解な方かなと思います。しかし思想的には、こしごえさんが繰り返し詩にかかれているような、無常感を前提としつつも希望のある生への賛歌というか、そういうものを基本としたいと思います。そうはなってないかもしれませんが。
王殺しさんのコメントに詳しくあるように、マージービートに乗せていくつかの想起されるポイントを提示しつつ、破壊と創造、時間が語られて、それそのものが非線型方程式でエントロピーの高い低いで再解釈されたと言うことなのかしら。いやー難解なのにリーダビリティの高い詩として世界を紡げるのはやっぱりたかぼさんだなぁ。初見じゃ教養がが追いつかずこんなこと思えません…
@あぶくも
これは言うまでもなく論文やエッセイや小説ではなく詩なので、解釈はあるものの、結局は何も説明していません。あぶくもさんや王殺しさんトノモトさんなんかにニヤッとしてもらおうとして書きましたのでコメントいただき嬉しいです!
時代の普遍性のようなものを、読後、考えてみました。社会は流れているようでいて、案外、基本は変わっていない。高い人は低いと言い、低い人は高いと言う。出来事は、いつか起きたことばかりなんだ。…そう、宇宙の摂理。まさに非線型方程式。
@長谷川 忍
私たちは詩を創作しそれを忘れ去っていきます。自由意志に基づいた創造と破壊。この自由意志こそが宇宙の摂理なのかもしれません。長谷川さんへの返信を思いながら、ふとそんな気がしました。コメントありがとうございました。
@たかぼ さん 追記失礼します。
埴谷雄高さんの『死霊』を読んだと言っても、私の場合、それは、流し読みみたいな感じで読んだだけです。それも3回位しか読んでない。長編だし、そうそう読めない。集中力不足と忘れっぽい私には、長文は、正直、苦痛なんです。難しいのは、分かりませんし。
ある漫画家の先生が 言ってました。「バカにも分かるように話す人が、ほんとうに頭のいい人なんだよ」みたいなことを。ふふ。うん。
@こしごえ
それはあらゆる職業についても言えますよね。医者も専門用語を並びたてるのではなく、それを簡単な言葉に翻訳してから患者につたえる能力が必要とされます。誰にでもわかるように話すのが一番難しいですよね。
@たかぼ さん 私の上記での言い方は、間違っているようです。申しわけありません、ごめんなさい。以下に 訂正します。 拝礼
正確には、その漫画家の先生は、次の『ように』言っていたそうです。(マイクロソフトのAIのコパイロットに聞きました。)
「難しいことを難しく言うのはバカ。
難しいことをやさしく言えるのが本当に頭のいい人だよ」
そう、私の言いたかったのは、「誰にでも わかるように話すのが、ほんとうに頭のいい人だよ。」と。
でも、それって、とても難しいことですね。