踊る子供
彼女はおよそどんな男にも足を開いた
もはや文学的献身と言ってもいい感じだった
僕は恋の予感に立ち上がり腰を唸らせて
跳んだり跳ねたりしながら愛を模倣る
春は長かった!冬が来るとは思われなかった
夢の中には月すら昇らず太陽だけが正しかった
異国の神のために彼女が捧げた祈りの歌は
醜く汚れた僕を常に慰め励ましてくれた
神様、と僕が称えると彼女は俯いて首を振る
そしてそこらへんで出会った男と寝る
彼女は僕に手を出さなかった
僕は彼女に一度も踊ろうと誘わなかった
神様も人間も何もかもなくなった世界で
自分のために生きていけるように寂しいまま
そして彼女は死んだ
世界で一番すてきな踊りをおどる僕を残して!
きらめく人生の喜び
僕は彼女のいた世界を心から愛している
耳の奥にささやかな祈りの歌を聞きながら
いつまでも踊り続けるだろう
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