茶の感
車、旧地に至り 旧山を知る
百里を憚らず 唯抹茶を求む
千鳥のもとに 店舗ありや?
午後の刻 茶室香り満つ
我が歳にて 斯く茶を飲む
駅に立てば 灯籠千の数
京都遠しといえど 茶を愛する心あり
詩篇にあらずとも 百句に勝れり
詩の爛漫 千首を要せず
茶の佳話 章なくてよかろうや?
古寺に道に遇う 過ぎ行くままなれど
数里離れた茶屋より 茶の香漂う
我が茶を愛する心 常人にあらず
茶を飲みて賦歌詠む 亦常人にあらず
山に落花あり 庭に落葉あり
我が茶室あり 花葉に譬う
花自ら憐れまず 葉独り飛ばず
我が室の茶は 我独りこれを飲む
興起る時に飲み 茶後に詩を作る
詩とは何ぞや?我が心に問う
我が心とは何ぞや?茶の清き香りなり
茶の心を以て詩となし 詩の心を以て茶となす
風に従い夜に入り 我が心これを感ず
蟾鈎を望まんと 夙に起き夜に寐る
夜半に目覚め 海棠眠らず
物足りなく思う 清茶見えぬ故に
茶の高潔 我に欠かすべからず
昔の陸羽 茶の書を著す
千載の春秋 皆過ぎ去りし往昔
山間の茶林に その姿を求め
百巻の書籍に その情を尋ぬ
我が茶を飲むは 舞勺の年より始まる
幼き時 これを花の如く見る
花は時を選び 常に三月に開く
此の時茶を飲み 客は君子なり
君子の交わりは 水の如く淡やかなり
春の花の逢い 文の如く高雅なり
湖畔に枝を折り 君子を待ち望む
人間の四月 音信届くや?
春は爛漫 夏は和らぎ
秋は思い多く 冬は寒からず
誰が為に語るや?答えて曰く君子
君子も茶を好む 我が如し
月を隔て 天涯に思いを馳せる
心を同じくするとは何ぞや?茶の茗にあり
夜は寂寥、時に倦むことあり
遂に一詩を作る、ただ茶を詠むのみ。
コメント
硬い響きの書き方を選んでいらっしゃるのですが、内容にどこか茶目っ気を感じました。
茶を詠む、かっこいいです。