122

122

時間が
たっぷり沁み込んだ
ブロック塀

猫の肉球のこそばゆさに耐え
子供達の自在な落書きを許し
変わり続ける街を見守ってきた
ブロック塀

ほんのり
苔むした様子が
あなたの背中に似ているような気がして
ぼんやり寄りかかってみる

もしも対峙することなく
背中合わせであなたと話すことができたら
もっと互いを分り合えたかもしれない

そんな想いを巡らせながら
過ぎ去った日々の
痛みと塩辛さと愛おしさを反芻する

時間が
たっぷり沁み込んだ
ブロック塀

あなたの
背中にどこか似ている
ブロック塀

また会いに来よう
あなたと背中で話したくなったら

投稿者

東京都

コメント

  1. かっこいい写真です!
    背中合わせってきっといいものなんでしょう。試してみたいとしんみり思うような大人の視点でした。

  2. この作品の、ブロック塀のような人が、身近にいてくれたらいいですね。人生の年輪というのかな、…そういうものを感じさせる大人でしょうか。

  3. 歴史のつまったブロック塀ですね。貴重なブロック塀。それが、

    あなたの
    背中にどこか似ている
    ブロック塀

    という。このブロック塀は、人の温か味を持ったブロック塀ですね。

  4. 物に触れたり、出来ごとに触れたりする度に思い出される人や物事。
    背中でできる会話。背中でしかできない会話。
    素直に向き合えないのは、大切な人だから。大切な人だったから。
    人を思うことはほろ苦いものですね。そういえば「苔」と「苦」はどこか似ています。

  5. 今作…いろんな思いが巡ってきますね。かみしめて乗り越えて…だからこそ染みるというか。
    今までの悲喜こもごもが苔に覆われてもう見えなくなって、いつのまにか柔らかく受け止められるようにおおわれている。
    なんだか、言葉ってそんなに多くなくてもいいのかもと思えてくる。
    ただやんわりと背中を受け止めてくれるだけで、心が柔らかくなりますもんね。

コメントするためには、 ログイン してください。