少女は京都にて

京都には久しく行っていない
愛する着物をまとうことも久しい
清水寺の階段で、桜を思うことも
公園で花見をし、
遠くにいる桜を愛する恋人を想うことも

私は今、京都から遠く離れた
九州の海辺の街に暮らしている
ここから京都までの距離は
まるで十代の頃と今の私のように
隔たりがあり、遠い

十代の頃
二年坂の小路で
心惹かれる和傘を見つけ
可愛らしく思い、二つ買い求め
大阪へ帰り、長く交わった恋人に渡した

恋人はいつも煙草を吸い
時々漫画を読みながら
物語の登場人物のように
共に白髪になるまで、と語っていた

十五歳の頃の私は、京都が大好きで
遠くから電車に乗り、二年坂へと通った

桜が舞う場所は一つではないと知っている
だけれど、なぜか
京都のこの小路にこそ
運命の出会いがあるように感じる

彼もまた、京都から遠い場所に住み
そこにも桜が散り積もる
駅には静かに列車が停まり
無数の人々の間に
桜の花びらが舞い落ちる

人々は桜の意味を知らない
道いっぱいに桜が敷かれ
その人混みの中に、愛する彼がいる

彼は桜の眠りを妨げず
静かに道を見つけてくれる
いつでも私は待っていると
彼は知っている
遠い海辺から、花散る京都へ
彼が来るのを待つ

桜の下で共に育った私たち
この桜が一生、私たちを見守ってはくれないのだろうか

私はいつか老いていく
桜も毎年、短い間だけ咲く
私は毎年京都へ行けるわけではない
私が訪れないことで
京都の人々に忘れられてしまうかもしれない

ただ恋人と寄り添い
日々を共に過ごしたい
桜があろうとなかろうと
恋人こそが私の桜なのだ

私は彼のために詩を綴る
彼の夢の場所を
京都と思い
夢の中でも恋をかなえる

次に京都へ行く時
私はきっと大人になっている
京都までは、数都市を隔てただけだ

次に京都を訪れたとき
九州の桜の花びらを箱に収め
一番美しい三月、
桜が初めて咲く季節に
私の心の桜を届けたい
そこには私の愛が記されている

愛する恋人よ
九州と京都は隔たっていても
和らぐ風の中、桜を阻むものは何もない

咲かない桜などこの世にはない
百里離れていても
鮮やかに咲き誇る
恋は桜のように
距離があっても
香りを遠くへ届ける

世の中の素晴らしい恋は
距離を恐れない

私たちの愛も、詩のように
無邪気でロマンチックだ

愛と詩は桜のように
谷間にも、人の美しい心にも咲き誇る
少女のように
清らかで、何も汚れない

投稿者

福岡県

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