玲瓏剔透グライダー

 
 
(SideA)
 
人が空の夢を見る時
空は人の夢を見ています
人が黙って
自分を見上げている
空は話しかけてみるのですが
風だ、と
人はいつも言います
 

 
グライダーは
飛べなくなっても
グライダーでした
公園の遊具になっても
主が迎えに来るのを
待っています
木洩れ陽が翼を
綺麗に装飾する
それが誇りでした
滑空している時が
無敵でした
 

 
空が鳥の中を
飛んで行きます
空は空を
飛ぶことができないから
飛び方は
鳥を見て学びました
命の痛みも
少し覚えました
 
 
 
(SideB)
 
見上げる
何もない
かつては空があった所には
もう何もないしかない
恐らく利口になった人は
空を消費しすぎてしまった
あんなに頑張ってつくった
航空機もドローンもミサイルも
ただのガラクタになった
両手を広げて子供たちに見せる
ほら、これはグライダーだ、
この翼でこうして滑空するんだ
何それ、変なの
そういえば空はどんな形をしていて
どんな色をしていたのか
手触りやその音も
ぼんやりとしか覚えていない
時々夢に出てくる空は
既に言葉でしかなかった
その頃鳥たちは
自分の中にある大空を
自由に飛び回った
 
 

投稿者

コメント

  1. 日本WEB詩人会の公認お題企画が月1ペースで始動しました。
    9月は以下の通りです。
    -:-:-:-:-:-:-:-:-
    Vol.1お題
    『玲瓏剔透グライダー』
    ※二重鉤括弧は含まれず
    投稿期間は9/18(金)〜9/22(火祝)です。
    -:-:-:-:-:-:-:-:-
    詳細や今後については公認掲示板のお題スレッドでご確認下さい。
    https://rara.jp/poekai_2021/

  2. 素敵です!

  3. @アイズ
    アイズさん、コメントありがとう。ございます。
    素敵、という言葉、大好物です。ありがたく頂戴します!

  4. 人間は元々空を飛べないため、空がなくなったら成す術がないけれど、空を飛べる者は、自分の中に空を持っている…。印象的です。
    SideAは空の孤独…。人間には伝わらないかったのですね…。空は人間とも、仲良くなりたかっただろうに…。

  5. きらきら降りて来るものすべてがすべてにやさしいといいのになぁ、と思わずにはいられませんでした。
    空側に立つ視点が私が思うたもつさんの絵画っぽさで素敵すぎました。

  6. そうでした。空の言葉は風でした。僕たちは空を消費することに明け暮れて、空と言葉を交わすことができなくなりました。そんなことを思い出させてくれる、素敵な詩でした。

  7. サイドAと サイドB というふうに、わかれているんだけど、サイドA と サイドBは、夢と空で、つながっていますね。この詩の、サイドAとサイドBだけではなく、夢と空は、全てとつながっている、とこの詩を拝読して思いました。

    たもつさんは、どんなタイトルの詩でも、たもつ節の漂う詩ですね。
    たもつさんの詩、とても好きです。

  8. 空からの視点は、思いつきそうで、実は思いつかなかったです。
    え、影響されないように気をつけないと

  9. 空はいつも鳥を飛ばせる側だったけど、本当は空も自由に飛びたかったんだなと思った。最後に空は鳥の中を飛んだ。自分、空がなくなっても、鳥が自分の中の大空を飛べるように。

  10. 目から鱗のフレーズが何個かありました。お題企画一作目としてはもう充分なくらいです。

  11. サイドBが未来だとしたら、しかも人間によって生まれた未来だとしたらテクノロジーが進むほど空さえも失くしてしまうのか。鳥よ、ごめん。

  12. @野鳥倶楽部
    野鳥倶楽部さん、コメントありがとうございます。
    空は空のものであって鳥のものであって風のものであって虫のものであって、人は使わせていただいているだけなのかもしれませんね。人も空もお互いに憧れる、それくらいが丁度よい関係なのかも。

  13. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
    空は時には優しく、時には厳しく。人はちっぽけだなんてありふれた言葉、最近の気象災害を体験すると痛感しますね。

  14. @たかぼ
    たかぼさん、コメントありがとうございます。
    最近、風に耳を澄ますことが多くなりました。けれど空は何も語ってはくれないですね。多分、感度が下がっているのですね。

  15. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。
    空と夢が繋がっている、その感覚、好きだなあ。
    空を飛ぶ、なんて夢を時々みます。やっばり繋がっているのかな。

  16. @ノラスケ
    ノラスケさん、コメントありがとうございます。
    空からの視点で、もう少しグライダー寄りのものが書ければ良かったかな、と少し反省しています。

  17. @花巻まりか
    花巻まりかさん、コメントありがとうございます。
    空も鳥もなかなか手に届かないですね。
    彼らは彼らだけの言葉でしゃべり、お互いを行き来しているのかな、なんて、思うことがあります。

  18. @トノモトショウ
    トノモトショウさん、コメントありがとうございます。
    一番を狙っていたのて、あれやこれや詰め込んでしまいました。せっかくのお祭りなので賑やかに、ということでお目溢しを。

  19. @王殺し
    王殺しさん、コメントありがとうございます。
    バードストライク、なんてありますものね。鳥にしてみればたまったもんじゃない。
    この時代、人が空に進出するのは仕方がないのだから、時々でも良いから謙虚でありたいな、とは思います。

  20. 空は空を飛べないにドキリとしていたら、空なきB面の展開にもっとドキリとしました。語彙力削がれてすごい以外浮かばない。

  21. @あぶくも
    あぶくもさん、コメントありがとうございます。
    一番乗りを目指して、ゴリゴリにいろいろと押し込めてしまったかも。もう少しグライダーにスポットを当てた方が良かったかも、などなど一人反省会です。

  22. 一枚の絵、または一編の楽曲。このタイトルでたもつさんが書くの楽しみにしてたんですが期待以上というか、感動させてもらいました。すごく好きです!

  23. @あまね
    あまねさん、コメントありがとうございます。
    好き、というお言葉、ありがたく頂戴します。
    今回のお題はどうしようか、と悶絶してしまいました。お題の意味を調べてイメージを展開しましたが、ど直球にグライダーで攻めてもよかったかな、なんて思います。

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