浮気
浮世に諂う身体を合わせて背徳の甘味を堪能シ
あわよくばその深層に触れたいと願う咎を内包
しかし 心の奥 ねじれると 肉の欲 つまり
ただ 器用な手に 鳴=呼 異様に濡れ また
恋は 盲目と知れば 男 舌の先の暗黙 愛は
人を 哀れに抱擁して 粟立つほど迫り 人を
狂わせ せわしなく憂うしかない魂を 震わせ
長い夜 回転して落ちた密やかな展開 白い昼
自然体の 仮装をするか悩むべきは 等身大の
生命を洗濯 淡く爛れたと慌てて 運命を選択
二人は空騒ぎ 妄想癖の陰謀論 粗探しばかり
停滞は有り難く しあ わせ 激情は度し難く
ユートピアに揺らぐ 女 許されると言う時は
嘘に塗れた比喩を吐き 虚ろに燃ゆる焔を消シ
気付けば全てが愈々惰性に再帰する夢の後始末
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.062: Title by 待子あかね]
コメント
浮かび上がるはハート
もう少しいやらしい画像を期待してしまってもいいですか? まあ文章がいやらしいから我慢します。
いつかやりたいなと思ってた矢先、想像を超えるトノモト節満開の、しかもハートで来るなんて、すごシ。
エロティックなコトバのダンスを堪能させていただきました。
この詩から愛の深さを感じて、この詩の力にこころが動きます。
あと、(私の読み違えでなければ、)この詩から「今」も感じます。
結局、ひとは、浮気から逃れることはできないのだ、とあらためて痛感しました。自戒をこめて。男と女の関係なんて、解けない方程式みたいなものだなあ…。