桜は泣く
遠出を久しくしていない
夜更けに詩を書くことも、久しくなった
時に思う
詩は必ずしも遠方や夜を詠む必要はないと
ただ夜更かしが癖になり
独り空想にふけるのが習わしだ
旅に出ようとも、家にいようとも
音楽がいつも傍にある
私は感受性の強い人間だ
五月になっても、近くの街へ桜を見に行きたい
電車に乗り
数時間かけて向かう
それは疲れを伴う、慌ただしい旅路だ
車中でふと思い出す
昔もこうして京都へ向かったことを
あの京都の花吹雪に心奪われたことを
だが今回
私は京都から遠く離れた九州にいる
まるで京都と
一番美しい時を、すれ違ってしまった
この残念な思いは
九州の奥深き場所で癒やされるだろう
来春の三月、再び赴こう
今度は遅れはしない
桜に包まれた城の下に立ち
記そう
私が桜と見逃した時を
それは私が一生大切にするもの
美しい光景には遇えなくとも、あどけなく煌めくものだ
再び華やかな桜の花へ赴くと誓う
桜は詩を読めはしない
ただひとりで舞い落ちる
でも私は思う、私の詩の奥底を読み取って
涙を流しているのだと
さもなければ、なぜひたすら舞い散るのだろう
土へと還るその時まで
忘れず詩の中へ帰り
私と共にロマンと美しさを分かち合うのだ
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