深夜懷吟

心に愁い幾重に重なり
無為を恥じ玉鈎(ぎょっこう)仰ぐ
過ぎし世は既に夢の如し
いずれの宵、月深き屋を照らさん

夜更けいつ眠りに就くべきや
そよぐ風、旅の客に問いかく
文人雅士、我こよなく好み
詩詠み墨弄し、世の憂いを負う

天涯隔つと雖も万代を論じ
日ごと高潔の徳を慕い望む
花茶啜りて明月を伴い
君子の風骨、天地に貫く

暇あれば長安の史を繙き
千里の宮闕も遂に塵となる
古往今来の詩人皆慨嘆し
世移ろいて人の苦しみ巡る

幼き時安楽に恵まれしが
二十年の旅に世の辛さ知る
来春花咲き、再び旧地を踏まば
歳月と少年の心、空しく過ごすなかれ

投稿者

福岡県

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