ゼブラフィッシュの遺伝子
ゼブラフィッシュの苦悩とは
一種のひらめきのことである
わずかな鼓動の ことである
魚の遺伝子の ことである
その夜
囲まれて
情念に
着床する
サンドパイパーの 救済とは
一種のあきらめのことである
かすかな気配の ことである
鳥の遺伝子の ことである
その夜
遠ざけて
自我に
着床する
破壊と再生 とは
沈黙と忘却の ことである
収斂と散逸の ことである
破戒と済世の ことである
この螺旋を逆さまに回せば縞模様が消えるだろうか?
Caution! < 全てが許されている しかし全てが益になるわけではない >
その夜
着床する
遺伝子に向けて
禁断の
引き金を引く
コメント
遺伝子の情報量を思うと気が遠くなります。
>babel-kさん 早々にコメントありがとうございます。
ゼブラフィッシュとはサンドパイパーのことかもしれない。遺伝子を組み替えればそんなふうにならないだろうか。わからない。そこは勉強してこなかった。
ところで話は関係ないが、子供のころいそしぎ(The Sandpiper)という映画のエリザベス・テイラーが好きだった。でも今欲考えてみればていのいい不倫の話だった。まぁ不倫をせめやしないが。
>王殺しさん 難解な詩(だと自分では思っている)にも関わらずコメントありがとうございます。「いそしぎ」という日本語の方がサンドパイパーよりも風情がありますね。私はそう思います。私もその映画を見たかもしれません。子どもの時に。だから内容はさっぱり覚えていません。でも題名だけは覚えているのです。
計算され尽くした構成と、ある種の専門性みたいなものが圧倒的に迫ってくるのは流石だなあ。最後の連なんてまさにそうで、やっぱり圧倒的じゃないと駄目なんだよ、とちょっと悔しくなってしまった。
ゼブラフィッシュの苦悩
サンドパイパーの救済
情念に着床する
自我に着床する
禁断の
引き金を引く
最後の二行、…ちょっと怖いですね。
ゼブラフィッシュ、きれいな魚であります。
>トノモトショウさん この詩を作る時に、少しトノモトさんの詩を意識してました。ありがとうございます。
>長谷川忍さん 最後の二行の怖さをくみ取って頂いてありがとうとざいます。
無駄のない言葉たちだと思いました。(とてもすてき)
ハンサムなんですけど諜報員や暗殺者みたいな怖さがあって背筋がひんやりとしました。
>たちばなまこと/mさん 過分なコメントありがとうございます!