お前の残り香

倦怠と満足の夜更けに
じわり、香る。

黒曜石と薄明かりの視界に
辿る、たどる。お前の残り香。

「近いと案外わからないものね」
寄せる鼻。お前の懐。

「いちばん近くが好きだのに」
見上げる、見上げる。そこにはいない?

あなや、お前は金木犀。
離れていないとわからぬ香り。

ここで嗅がせて、金木犀。
私の足をすくってく。

投稿者

愛媛県

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