123

123

うろ覚えの
一点透視図法で描かれた
わたしの世界では
ときどき

あなたの笑顔は近くて
あなたの言葉は遠かった

消し忘れた
補助線が風に嗤われている
わたしの世界では
ときどき

あなたの言葉は近すぎて
あなたの眼差しは遠すぎた

未だに
遠近法がよく分からない
愚かなわたしは

それでも
決して不幸ではないから
このままでいいけれど
ひとつ

ひとつだけ知りたいことがある

あの消失点の向こうには
いったい何があるんだったっけ

投稿者

東京都

コメント

  1. 「あなた」との遠さや近さが、絶妙な距離感で描かれていますね。

    未だに
    遠近法がよく分からない
    愚かなわたしは

    それを自覚出来ている この詩の話者(作者)は、愚かでは無いと思う。
    愚かなことを、愚かと自覚出来ている分は。という私は、失礼ながら、愚か者です。

    それでも
    決して不幸ではないから
    このままでいいけれど
    ひとつ

    ひとつだけ知りたいことがある

    あの消失点の向こうには
    いったい何があるんだったっけ

    でも、私も、このままでいいです。
    幸せ、っていう価値観には、あんまり興味は、無いけど。
    幸せって、幸せであることに、気付けば、幸せは すぐここにある物事だと思いますし。

    でも、この詩では、ひとつだけ知りたいことがある、んですね。
    いったいそこには、何があるのだろうか。
    知りたい、という熱量に、心から感心します。

  2. 私も愚かな人間のひとりですから、色々と考えさせられます…。
    今はとにかく目の前のこと、子どもたちと元夫への贖罪をすることを第一に生きていこうと強く思っています…。

  3. 遠近法を通して、人間関係を静かに見つめています。消失点の向こうは、…私にもわからない。想像が膨らみますね。

  4. ナンバリングであるタイトルが今回123なのが意味深に思えて仕方がなかったです。
    ワンツースリーで消失点に飛び込んでしまいそうです。

  5. 何とも味わい深いですね。「それでも
    決して不幸ではない」という現況の受容みたいなものに安心しながら、私もあの人やあの娘やいろんな人と交わっては離れていく消失点の向こう側まで行ってみたい。

  6. お久しぶりです。こちらの御作品は画詩の方が個人的に好きかなぁ。^^
    ダリアでしょうか、美しいですね!お写真にも惹かれます。
    再読しながら考えさせられ、また勇気づけられるような優しさを感じました。

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