鎮魂歌
鎮魂歌
冬が来た
音もなく忍び寄って
目の前に突然現れた
冬が呼んでいる
遠くからそして今は耳のそばで
冷たい吐息を漏らす
誰から先に寄り添うか
誰を先に凍つけさせるか
ヒューヒューと口笛は空に跳ぶ
運命も決まりも何もない
ただ・・・ちょうどその時の
偶然にしかすぎない
目隠しをして
寒さに凍えた指先でつかんだ
はずれくじ
ババ抜きのババのように
ゲームをやるたびに
誰かがひく最後の持ち札
夢は氷河のように
流れは止まり
春は退化して生まれ変わることはない
悲しいかな
人の世界では永遠に来ない
春があることを
ひゅるひゅると
穴の空いた心が
しぼんでいく
とてつもない宇宙の力が
吸い込んでいく命
冬空に浮かぶ透明な月は冴えざえと・・・
そして訪れる
誰かの最期
永遠の冬
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