白く

白く

長びいた雨の狭間に
淡く陽が差した。

早朝の遊歩道を
ゆっくり
歩いた
ほんの少し
吹く風の感触が変わった
濡れた落ち葉の
色彩を慈しむ。

ふいに
陽が陰った
私の情感も
ひとつだけ裏返った
池の水の薄いさざ波の余韻が
曇った
情けに似た時間の底を
眺めてみる。

時間ともいえない
あやうい一瞬を。

季節は
移るのではなく
積み重なるのかもしれない
早春から晩秋へ
盛夏から冬至まで
深く絡んでいくのだ。

今は、白露
白い秋
また水の香りをじっと
眺めてみる。

投稿者

東京都

コメント

  1. 秋の空気におおわれ、落ち着いた心が捉える情景なのだと感じます。積み重なる季節の一場面、秋の物悲しさも、厚みを持って感じられます。

  2. 白露の中、こんな風に詩的に散策。とても羨ましいです。

    「情けに似た時間の底を眺めてみる。」
    「時間ともいえないあやうい一瞬を。」

    いつかこんな表現が出来るようになりたいと切に。
    ありがとうございます。

  3. 長谷川さんらしい心の動きに柔らかくしみじみとします。
    「時間ともいえない
    あやうい一瞬を。」
    ここをしっかりと自分の中で転がしてみようと思います。時間や季節は自分の中で積み重なるからこそ同じく巡っているようでいて新しいのですよね。

  4. 水面との白と青の鏡の関係がすてきです。
    慈しむ
    深く絡んでいく
    とってもいいです!

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