筆跡

頭の中で響いた
君の甘い声も薄れ
思い出が埃をかぶるころ

私は今日も独り
旧い君の便りを
指でなぞる

伝わってくるのは
熱に包まれた愛しさと
少し冷めた後悔

何も知らなかった頃の自分に
今日もさよならをなぞる

投稿者

京都府

コメント

  1. 私も何年生きて、いくつものことを知って来たつもりでいても、覚えたこともさることながら、「何も知らなかった頃の自分」のことも覚えているものです。
    メールではない手紙の味わいと作者の思いが良く伝わる詩だと思います。

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