やわらかい腕に抱かれ
熟れた果実の匂いに酔う
骨が軋むほど
……衝動

貴方の煙草と同じで
紫だった

突き動かされるたびに
取り囲む空気が唸る
思わず漏れた囁きは
愛してる……ではなかった
天井に反射している狂ったケモノを
滑稽だと笑えばいいの?

この曖昧な境界を越えれば
同じ名前で呼ばれる気がした

私の言葉ではなく
紫だった

[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.003: Title by motoko]

投稿者

大阪府

コメント

  1. タバコの紫煙は指先からのもので、口から発せられたものはなぜか紫がかってなくてやたら白だ。濁った白。
    なぜだろう。見とれるのはそのタバコをもつ指先とその所作だ。

    同じく口から発せられると、なぜか鼻白む言葉がる。
    日本人はやはり行いや態度や日常や匂いで示す言葉なのかも知れない。

    クレージーラブという曲が浮かんだ。

    ちゃんと口にしてくれなきゃ嫌だ。というわがままはいけないよ。

  2. 私は10年喫った煙草を突然止めてから30年経ちますし、もう一度喫いたいとも思わないし、喫煙の風景をとんと見なくなった昨今の世情を好意的に見ている者ですが、それでも記憶している喫煙にまつわる風情は忘れることはないでしょう。ライブハウスの灰皿の煙草から上る紫の向こうに座る女性の姿を。濃密な男女の駆け引きには紫色が似合う。

  3. この詩が映画ならBGMに『smoke gets in your eyes』を選ぶか、『purple haze』を選ぶかで、随分と趣が変わる気がするなぁ。どちらも良いなぁなんて思います。

コメントするためには、 ログイン してください。