プリンタ
初めての夜は
記号的な事件
白い背中にも
絶縁体の刻印
無意識は零れ
機械音に浸る
という具合で
何処に居ても
インク切れの
愚行を演じる
・
・
迸る自己愛や
頑なな依存症
不調和の欠片
取り残しては
積み上げたり
踏み潰しては
放り投げたり
・
・
・
擦れた表現が
僕らの限界で
それ以上は花
それ以下は灰
・
・
・
・
所詮コトバは
虚構の廃棄物
油紙を滑って
滲むばかりの
・
・
・
平面を躍れよ
酸化するまで
非バランスの
装飾で充分だ
誰も触れない
誰も歌えない
空っぽの筐体
・
・
前衛と書いて
没個性と読む
胸中ぐつぐつ
爆ぜる瞬間の
イデアを露呈
此ればかりは
プライドより
脱衣の方法論
という辺りで
切断
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.032: Title by りえ]
コメント
これは…。w
ちなみにワタクシ、HNは変わってますがポエ会の古参でございます。
トノモトさんの詩の中で好きなフレーズを探すのが密かな楽しみなのですが、今回は
“それ以上は花/それ以下は灰” と
“平面を躍れよ” です。
見事にプリンタで感嘆。
↑ そうですよね。いつも格好いいフレーズが並びますよね。見た目もスタイリッシュで良いです。