ラストポエム

きみが詩だと思っているものは
ただの文字の羅列かもしれない
味のしなくなったガムみたいに
薄っぺらな情念の亡霊のように

きみが詩ではないと嗤っているものは
もしかすると詩そのものかもしれない
丸裸の魂を文字に焼きつけたみたいに
指先で触れれば血が滲む諸刃のように

詩は芸術ではない
詩は恋文ではない
詩は日記ではない
詩は記録ではない
詩は記憶ではない
詩は象徴ではない
詩は記号ではない
詩は希望ではない
詩は絶望ではない
詩は祈りではない
詩は呪いではない
詩は魔法ではない
詩は道具ではない
詩は手段ではない
詩は表現ではない

詩を語る者に死を
詩を嗤う者に死を
詩を騙る者に死を
死を語る者に詩を

投稿者

大阪府

コメント

  1. 最後の1行は俺ですね…。

  2. アンチ「ポエム」主義のはずの大覚さんが、あえて「ポエム」をタイトルに持ってくるとは何事だ、とドキドキしながらクリックした。詩という概念そのものへの訣別か、あるいはすべての詩以外のものからの脱却か。考えるのをやめたい。

  3. 好きだなーいいなーって思う詩の何が良いかというと書いた人の感性が好き。その人に会いたくなります。アキラさんの書くもの描くもの醸し出すものバグの力まで大好きだなーって思います。

  4. 否定も肯定、肯定も否定という「んなこた、ホントはどうだっていいんだよ」と言ってるような。この詩自体で、詩を語り、詩を嗤い、詩を騙り、死を語っているように、最終連が見事にタイトルと呼応する様が素晴らしいなぁ。

  5. めちゃくちゃ遅いレスですみません。

    >BENIさん
    そうなのですか。
    死ぬことを考えるくらいなら詩のことを考えるほうがいいですよね。

    >トノモトさん
    アンチポエム主義・・・そんなことを語っていたころもありましたね。
    いまはまあ、どっちでもいいかな(笑)。

    >あああさん
    ありがとうございます!(抱擁)

    >たちまこさん
    酒が飲みたいねえ。

    >イチカワさん
    もっと噛んでもっと噛んで

    >あぶくもさん
    あ、たぶんまさにそんな感じです、はい。ありがとうございます!(接吻)

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