約束

　
　
　
　
やぁ、エレサ
消火剤中毒は治ったかい

俺はまたこうして雨の中
あの子を待ち続けているよ
永遠にも似た時間を繰り返しているよ
　
　

　
今日も月が丸いね
あぁ
もしかしたら

あれって罪なのかな
あれこそが
あの青い光が

あの月が
俺の罪だったりするのかな

　
　

もしそうだったら
もしそうであってくれたら
ずいぶんときれいで
素敵な色じゃないか

俺の罪とやらは
罪とはずいぶんと
美しいじゃないか

そうは思わないか
エレサ
　
　
　
　

ねぇ、君だってそう思うだろ
　
　
　
　
　
+
　
　
　
　
　
絶望ってやつは相変わらず甘ったるいね
そりゃみんな浸りたくもなるよね、こんなの

俺は好きになれないよ
だってこんなの
嘘じゃないか

嘘が着色料まみれの
砂糖で出来てることなんか
俺はとっくに知り尽くしているんだよ

だって俺は
毎日嘘ばかりついてるし
だって君は
嘘が嫌いっていう嘘で
自分の気持ちごまかしてるでしょ

だから知ってるんだよ
全部嘘なんだって
知ってるんだよ
　
　
　
　
　
　
絶望なんていうのは
嘘なんだって
知ってるんだよ
　
　
　
　
　
　
　
+
　
　
　
　
　
　
　
　　どういう風にされたいか
　　恥ずかしがらずに言ってよ

　　気が狂ったように
　　君は俺の上で歌い続けた

　　何度も何度も
　　息を切らせながら

　　君は気を狂わせながら
　　俺の上で歌い続けた
　
　
　
　
　

　なんなんだろうね、愛って
　君が歌っている姿を見ると

　最初からやり直させちゃくれないかなとか
　今までの間違った選択の何もかもが
　甘ったるい嘘だったとか
　そんな風になってはくれないかなって
　ずっと思ってたよ

　
　
　
　
　
　

頼むからさ
これだけは聞いてくれないかな
他はいつもみたいに
茶化してくれて構わないからさ
　
　

俺の言葉を止めさせないって約束してくれよ

　
　
　
　
　
君は俺の上で
歌い続けた
　
　
　
　
　
　
　
　
+
　
　
　
　
　
　
ちゃんと息を吐き続けてるかな
君が吸い込みたいものを吸い込めるように
君が抱きしめたいものを抱きしめられるように
ちゃんと息を吐き続けてるかな

　
　
　

　
　
　
+　
　
　
　
　
　

　

　エレサ、聞いてくれよ
　こんな青い月の日なんだから
　少しは俺の話聞いてくれたっていいだろ

　あの子はさ
　ずっと隣にいてくれたんだよ
　昔からずっといてくれたんだよ
　俺がそれに気付かなかっただけなんだ
　バカだよな
　俺は本当にどうしようもない奴だよ

　エレサ、あの子はさ
　おかしい人なんだよ
　やさしい人なんだよ
　あのやさしさにあてられて
　俺も
　あの子の前で
　気が狂ったように
　歌い続けて
　
　
　
　
　
　
+
　
　
　
　
　
　
　愛って結局なんなんだよ
　ふざけやがって
　ふざけた君が
　目を強く閉じながら
　口をおさえて歌っている姿を見ると

　最初からやり直させちゃくれないかなとか
　今までの間違った選択の何もかもが
　甘ったるい嘘だったとか
　そんな風になってはくれないかなって
　ずっと思ってたんだよ
　ずっと思ってたんだよ
　
　
　

　頼むからさ
　これだけは聞いてくれないかな
　
　
　
　

　俺の言葉を止めさせないって約束してくれよ
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　君は俺の上で歌い続けた
　神の存在を忘れて
　君は俺の上で気が狂ったように歌い続けた
　
　
　
　
　
　
　
+
　
　
　
　
　
　
何もかもがあの青い月が吐き出した一夜限りの幻だったなら
何もかもが反対で、間違った過ちは全て悪い夢だったのなら
　
　
　
　
　
　　
　
　
　
　
　
　
このお願いだけは聞いてくれないかな

君が君の言葉を遮ったりしないって
約束してくれ