即興/ない詩(うた)

これは音のない詩(うた)だから
きみたちが音色を付けてくれ

誰かを想うきみのその声や
誰も知らないところで流す頬を伝う温もりで

強くなってきた日差しに負けない弾ける笑顔や
駆け出す踵から跳ね上がる砂埃で

くるくる回る洗濯物の隙間から見える空や
束の間のキッチンで一人佇むあなたの手のひらで
 
 
 
これは触れられない詩(うた)だから
きみたちがそっと温めてくれ

誰かを想うきみのその声や
誰も知らないところで流す頬を伝う温もりで

日が暮れ始めたら思い出すあの人のことや
吹き抜ける風の強さに細める睫毛の揺れで

閉め切ると少しぬるい部屋のすみっこや
春の終わりの夜に霞むささやきで
 
 
 
これは何もない詩(うた)だから
きみたちが抱きしめてくれ

誰かを想うきみのその声や
誰も知らないところで流す頬を伝う温もりで

夢の中だけで会えるいつかの人の背中や
結局叶わなかった二人で掬う朝日の白さで
 
 
すべてを抱きしめてくれ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

投稿者

大阪府

コメント

  1. 作曲は一度しかしたことがありません…。w

  2. ないことで広がる世界もありますね。この詩は、それを気付かせてくれるすてきな詩ですね。
    そして全体に優しさがあふれていて読んでいて心地好いです。

  3. 相も変わらず、素敵な詩ですね
    その人の背中が何よりも大好きなのが、ひしひしと伝わってきます

  4. すべてを抱きしめて
    朝日を浴びているような
    夢の中にいるような
    いや、人生を噛み締めるような
    良い香りのような
    そんなポジティブさを味わう

  5. @BENI
    さん
    じゃあ2作目としてお願いします笑

    @こしごえ
    さん
    ありがとうございます!穏やかな気持ちで書いたのでうれしいです(*´-`)

  6. @あああ
    あくん
    しゃがんで丸まると、ちっさくないのにちっさく見える背中が好きでした

    @那津na2
    さん
    うれしい!です!
    良い香りってのが最高にうれしいです(*’▽’*)

  7. 「……くれ」が新鮮でした!
    ぬくもりはあらゆることを解決してくれますね。

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