あゆみ
小学校までの道のりを
ずるずる靴をこすらせて
45分かけて歩いてく
初めて聞いたときには目眩がした
こんな小さな子が45分も歩くなんて
片道2車線の国道も越えて行く
ナントカダッシュとか言われる危ない車の運転の土地を
子どもたちだけで45分
靴だけじゃなくて違うところまで
ずるずるにむけてしまうんじゃないだろうか
神様からの思し召しで
この子はもう少し私が手をかけなさいというお告げが
神様だけじゃなくて
いろんな人から言われていたので
嗚呼そうですよね、そうしていいんですよねと
道端でべたりとなっている缶コーヒーみたいになったら困るので
いろんな意味で「人」になったら
歩いていこうと決めていた
でもあっという間で、この子は私の想像を遥かに超えて
私には似ても似つかない
優しくて思いやりのある子になった
私の判断なんて思い上がりなのだ
だからこその思し召しなのかもしれない
この子がいることで私こそが「人」みたいなものになろうとしているのかもしれない
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