本音の何か
銀河の岸の
あの星の果実が実った頃に
私の何かは死んだのでした
あれから私の胸は空っぽです
でもね
小鬼の私は今ここに在る
青い鳥は宙のどこか
どこかを飛んでいる青い鳥
宙を生んだのは何かだ
その何かを生んだのは何だろうか
どこかを飛んでいる青い鳥
青い鳥は宙のどこか
小鬼にもふるさとがありました
私の何かというふるさとが。
小鬼の私に刻まれているのは
遠い宇宙の産声です
宇宙を生んだのは何かだ
その何かを生んだのは何だろうか
言ってしまいましたね 小鬼
私の空っぽの胸を
青い鳥は通り過ぎて
宙を孕んだ何かへと
解けていった
お帰りなさい
コメント
遠い宇宙の産声
の、深い感覚が伝わります。
不思議な終連も、いいですね。
@服部剛
さんへ うむ、先ず、日本人の詩人のT.さんが自著のあとがきの中で、「作者にも予想がつかないしかたで詩は生まれる。そこに働く力は作者自身の力量を超えている」と言っています。
この「本音の何か」は、まさにそういう詩で、作者の力量を超えています。
まあ、基本的には、私の書く詩は全て、読者が好きなように自由に読んでくれるとありがたいのですが、この「本音の何か」は特に自由に感じてくれるととてもうれしいです。
その上で、剛さんのご感想を受け取ると、剛さんのこころと魂にこの詩が響いたようで、とってもうれしくありがたいです。剛さんが読んでくれた上に ご感想まで言ってくれて ありがとうございます。
宇宙の産声、というのは きっとみんなの魂(もしかしたら、体を構成している原子とか)に刻まれていると思うんです。宇宙が生まれて現在までその存在の証はつながっているはずですからね。ふふ。
不思議な終連も、いいですね と言ってくれたことも うれしいです。剛さんが不思議に感じてくれて、この詩の 何か を感じてくれて貴重です。うん。