みんなへ

遠い
遠いあなたと同じように
遠い私がここに在る
私の命はそうだったと思い出す
思い出すこともあれば
ごめんなさい
思い出せないことのほうが多いの
なぜ謝るのですか
うん そうか 謝るのはいい
でも ご自分を責めないでほしい

独り言
朝日の光が自室にあふれていく
この光に解ける
左手薬指の気持ちの
今はあなたと私のもうここには無い
遠さ
遠さを見つめる目の静かさは
目には見えない 雨の音に濡れる 静かさ

どこかの今で
この存在は人知れず
朝日の光につつまれている
いつかのここで
この存在は見送られる
その日
お空へひとすじ火葬の煙が昇り
私は
お空へ行くのだった

鳥も虫も花も歌い
青やかな葉は光合成をしている
命の世界

地球人にはわからない
(地球人も宇宙人の一種だが)
宇宙人の
歌が
宇宙に流れている
遠い
遠いあなたと同じように
遠い私がここに在る
私の命もそうだったと思い出す
思い出せる内はまだいい
ごめんなさい
思い出せないことのほうが多いの
だいじょうぶ
みんな忘れても
みんなおぼえている

今があるから
今があるの
あそこにそこにここにも ある

遠い
遠いですか いいえ
近い

思えば

投稿者

新潟県

コメント

  1. 現時点の今をとても宇宙的な奥深さで観る素敵な詩ですね。「遠さを見つめる目の静かさ」によって、時間的な距離も物理的な距離も縮まっていく様に震えます。

  2. 「遠い」あるいは「遠く」ということばを、自分の詩の中で無意識のうちに頻繁に使ってしまいます。物理的なものでも精神的なものでもなく、うまく説明できない感覚です。「遠い」というぼんやりとした感覚に対する安心感と畏怖のようなものが、ぼくの中にはあるような気がします。この詩はそういうぼんやりとしたものに、輪郭のようなものを与えてくれたように感じました。

  3. @あぶくも
    さんへ そうですねぇ。
    ある映画内で、今、という言葉を辞書で調べようとする主人公に、その相手(ヒロイン)は「今は今でしょ?!」というセリフを言います。
    今は今ですが、私の言う今は多重的な今のことが多いです。さまざまな今、と何回も詩でも言ってきました。こんなことを言うと、上記の映画のヒロインに怒られそうですが。ふふ。
    でも、あぶくもさんが、そう言ってくれて、この詩も作者も救われます。でも基本的には、今は今ですね。
    そして、ああ、あぶくもさんが、宇宙的な奥深さとまで言ってくれた上に震えてくれて とってもうれしいです。ありがとうございます。

  4. @大覚アキラ
    さんへ そうですねぇ、私も似たようなことあります。私の場合、たとえば、「悲しい」ということばを多用してしまいます。なので最近は出来るだけ「悲しい」ということばを使わないで「その悲しさ」や「悲しみ」を表せるようにはしているつもりです。(そういう意味では、この詩の場合、「遠い」「静かさ」ということばを使っていますね)
    でも、その文脈の中で、ここでそれをあえて言う(そのことばを使う)、ということも時にはありますね。ん。
    大覚さんが、そのことを私に打ち明けてくれたことを貴重に思います。
    そして、大覚さんのこころに この詩が役に立ったようで良かったです。
    大覚さんがそのように作者に伝えてくれて ありがたくうれしいです。ありがとうございます。

  5. 死んでしまった昔の恋人を思い出しました。
    立ち止まったらいろいろ彼女に思うのだけど、立ち止まる時しか思えないのが申し訳なく思いながら。いつも。

  6. 詩も、ひとつの「宇宙」だと思います。それを根底に置いてこの詩を読み直してみると、詩が、より身近になってきますね。

  7. @西園寺リル
    さんへ うむ。そうですねぇ。いくら大好きな存在であっても、その存在を24時間365日の常に思うことは難しいと思います。
    だから、西園寺さんのように立ち止まった際に思う、それでいいのではないでしょうか。申し訳なく思うということは、それだけ西園寺さんが昔の恋人のことを大事な存在だと思っているからではないでしょうか。
    ん、うん。
    西園寺さんがこの詩から死んでしまった昔の恋人を思い出してくれて貴重に思います。その思いを私に伝えてくれて ありがとうございます。

  8. @長谷川 忍
    さんへ ああ、そうですねぇ、そういう思いもすてきですね。ああ、そうか、長谷川さんの言うように、詩もひとつの「宇宙」というのがすてきです。
    うむ。詩もひとつの宇宙だと思ってこの詩を再読してくれて、その宇宙を身近に感じたりしてくれて、貴重に思います。ありがとうございます。
    長谷川さんの自由なこころの世界を私に伝えてくれたことも とてもうれしくありがたいです。
    そう思えば、この自分の体もひとつの宇宙ですね。

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