加害者

顔ももう思い出せないほど
遠く薄れた記憶は
確かに僕に一つ傷を残して
時折痛みを主張する

眼を逸らし続けても
ふと思い出すそれはまるで
義務かのように
罰かのように
償いかのように
傲慢な痛み

忘れる資格も後悔する資格も
きっとない僕は今日も
自己満足な痛みを呑みこむ

投稿者

京都府

コメント

  1. とても喉がきゅうきゅうする気がします。
    言葉の断片が過去の映像を呼び起こすような心地がしました。

  2. 加害者、について、少し考えてしまいました。これまであまり意識をしてきませんでしたが、私は、もしかしたら加害者として詩を書き続けてきたのかもしれない。

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