多分、僕は生きていていいんだと思う
多分、僕は生きていていいんだと思う
罪を一つずつ詳らかにして
愛を否定しても
遺された憎しみが築き上げていく死の塚と
その中で生まれ続ける
私
という誰も知らない女のことを
僕はずっと追い掛けている
多分、僕は生きていていいんだと思う
より罪深いものに許されて
もう大丈夫だと
自分自身の運命を受け入れるようになり
与えられた名前の意味が違うから
書き直すようにと
何度となく顔のない医者に言われて
模造紙が真っ黒になっても
書き直し続けた
多分、僕は
君に好きになって貰いたかったんだと思う
言葉じゃなくて
体だけでもなくて
そのどちらもが螺旋のように約束された
すばらしい世界の夢を見た
かわいそうな生き物
人間という動物だったんだと思う
僕は
愛されていることが分かるようになり
そしてまた
誰かに死んで欲しいと望んでいる
無様さを許すことができず
裏切り続ける
裏切られ続ける
この街で
多分、僕は生きていていいんだと思う
コメント
イチカワナツコさん
性別にだらしがないというか、環境が悪かったというか。
ドジばかり踏んでいる毎日ですが、憂鬱性も程々にします。読んで下さって有難うございます。
生きるしか、ないっす!
日々に夕日が落ちます
那津na2さん
本当ですね!最近は夜明けと夜更けが大好きです
有難うございます
書くという行為は、生きるという実感を抱きしめる行為でもあるのだな…。読後、そんなことを想いました。とくに詩は作者の思考が「研ぎ澄まされて」いきます。生き続けてほしいし、書き続けてほしい。
長谷川 忍さん
書くことともうまく付き合って生きていきたいと思います。有難うございます。
生活する中で良い方へ変わっていけるなら、詩作に罪悪感を覚えずにいていい気がします。