あなたへ
またあなたのさみしさのかけらを
取り逃してしまった
強い語気の言葉だけに
反応するAIのようだ
あなたが発する
小さなSOSに
なぜ気づけなかったのだろう
あの日のあなたの残像を背負って
雨上がりの川べりを歩く
次はないかもしれない
わたしたちはいつも真剣勝負
突き刺されたと思っていた心を
最初に突き刺していたのは私だった
にぶいカーキ色に輝く水面
空はもうじゅうぶん青いのに
もう一度だけ、
わたしにみせて
あなたの小さなともしびを
たとえ濁流にのみこまれたとしても
今度こそあなたを
救ってみせるから
涙をみせずに泣いていた
あの夜のこころを
涙はみせずに
そっと
だきしめた
コメント
過ぎ去りし想い。
ふと気づく。
あるいは気づいていた。
ひとりになり、やっと思い返すことができるもの。
しかし、それには次はない。
その瞬間の選択がすべて。
その今に、今に反応できる自分がほしい。
取りこぼしてしまったもの、それは自分をまもるためだったのか。
あなたへ、という想い。
ぼくの中のあなたを、だれかを思い出させていただきました。
繊細さが伝わる心地です。
ありがとうございます。
ぺけねこ様、こちらこそありがとうございます。ぺけねこ様のあたたかいコメントに、思わず涙があふれました。「”今”に反応できる自分がほしい」という言葉、本当にその通りです。ぺけねこ様からいただいた言葉を大切にしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
「あなた」を想う作者の、誠実な、切ない心根が伝わっていました。他者を想う気持ち、大切ですね。
長谷川 忍様、心に寄り添ってくださるような優しいお言葉、ありがとうございます。ありきたりな言い方かもしれませんが、心が癒される気がしました。他者を想う気持ち、詩を書いた時より、大切にしていきたいと思います。このたびは本当にありがとうございました。
切ない詩ですね。色々と解釈が分かれそうなので詳しいことは書きませんが、もう戻ってこない誰かの命と涙の雨を誰かが手で必死に掬っているようなイメージが浮かんできました。
月夜乃海花様、お心遣いあふれるお言葉をありがとうございます。特にいただいたコメントの中にある「涙の雨」というフレーズに、とてもハッとしました….。このたびは繊細で詩的なお言葉、本当にありがとうございました。