梅の毒

背後を警戒しない者には穴が開けられ 穴から赤い蕾が顔を出す
取り外しのできる羽根で 幾様にも捉えられる色をした天を飛ぶ

場末の風俗の待機所暮らしの女のように肥えた雲に押しつぶされ
〇から一を生み出すどころか すべての一を〇にされる

いつも着地の重要さを聞かされていたのに
壊れた羽根と共に常磐線沿いに不時着する

咳ばらいをし 己の存在を気づかせようとするが
自身すら己の存在を認識できていないことに気づく

仰向けのまま 消えていく
腐食も払拭もしないまま 消えていく
苦痛の日々も 無痛の日々も 普通の日々も
梅の毒も お気の毒も 辞世の句も 損得も
整理整頓された町の中 消えていく

投稿者

茨城県

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