此処

此処

駄々をこねて
手に入れたものは
すべて行方知れず

罪の数と罰の数が
同じでないと知ったのは
ずいぶん後になってから

誰かのために摘んだ
花の毒に侵されて
薬指を枯らした

逃げ回った挙句に
恐る恐る振り返れば
自分の影ひとつ

夢も持たず
約束も果たさず
此処にいる

あなたが
手を放してくれないから
辛うじて

此処にいる

投稿者

東京都

コメント

  1. 写真がいいですね、詩に負けてない。適度に内省的でいて、それでも最後に、放してくれない手の存在の大きさが際立つ、とても良い詩だと思いました。

  2. 詩の心情と、画像の訴えるものが見事にリンクしていて、やりきれない思いが伝わっています。
    さみしくて、凍えそうで、戻りたい思い。。

  3. @あぶくも さん
    >コメントありがとうございます
    とても私的な詩で読み返すとむず痒くなるのですが
    温かいお言葉をいただいて、なんだかホっとしました。
    放してくれない手は今でも強力です(笑)

    @ザイチ さん
    >コメントありがとうございます
    振り返るたびにほろ苦いのが私の人生です(笑)
    偶然写り込んだ誰かが自分のようでもありました。

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