夢見る羊

貧しさを恋と勘違いするような
いやに寂しい夜です
光の方へ咲く花のように
どんな星にも呼ぶべき名前がある

自分を産んだものを信じていない
だから誰も愛せない
信じて欲しいと声がするたびに
暗がりで紙くずに謝ります

自由に笑うことが出来る
叶わない願いそのもの
人の形をした亡骸が行く
皮肉なほど美しい焦土の片隅で

なゆたに一度でもいい
誰かが醜い手を掬ってくれたら
真実孤独になって
人込みの中に自分を隠すことも出来る

神様は人の心に宿る
翼のある移り気な天使
繰り返される惨劇を前に
お互いを許すしかないとしても

泣かないで下さい
季節が姿かたちを変えるたびに
私にも思い出す言葉がある
一人ではないのです

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 一行目のなんとキャッチーなことよ、とときめきました。ですますに託されたおもいが優しいです。

  2. たちばなまことさん

    有難うございます。環境と共に書くものも変わってきますが、出来れば明るい方向に行ければいいな、と思っています。

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