さびしさ

ウマオイの
すいっちょ という歌声が聞こえる
八月の空の下で私はこうして
呼吸をしている
生物と、
この地球と呼ばれている星を
共有している
悲しみを
喜びを
怒りを
いのちを
死を
愛を
さまざまな物事を
思う
毎日を
暮らしている
暮らしているが
ウマオイは
私とは関係なく
すいっちょ すいっちょと歌を歌い
いのちをつないでいく
私の書いた詩が
宙ぶらりんと
無限の内側で
終わっている
ゆれながら
詩は
詩ではない
顔をしながら
顔をしながら

投稿者

コメント

  1. すいっちょ、かわいらしいですね。
    自分の周りは詩ではない顔ばかりですがそれらは確実に詩であるなとも感じます。

  2. @たちばなまこと
    さんへ すいっちょ、とはバッタの仲間のウマオイ(馬追い)の俗称です。(広辞苑にも載っている)すいっちょと呼ばれるのはウマオイの鳴き声が「すいっちょ」と聞こえるからだそうです。私の自室には、今の今もすいっちょの鳴き声(歌声)が聞こえています。
    すいっちょの鳴き声は虫の音の中で3番目に好きな歌声です。ちなみに、虫の音の中では、蜩(ひぐらし)が一番好きで、こおろぎが2番目に好きな鳴き声(歌声)です。

    うん、そうですねぇ、一見 詩は詩ではない顔をしているけど、よく見ると(感じると)詩はそこここに存在していますよね。詩はいろいろなところに存在しているでしょうが、日常生活のなかにこそ 詩は存在しているとも思います。
    たちばなさんが、そう言ってくれることが ありがたく貴重に思います。ありがとうございます。
    でも、この詩では、詩は 詩ではない 顔をしている。そこに さびしさ がね。うん。

コメントするためには、 ログイン してください。