ヒフヨリカタイモノ
その角はひふよりもかたい、
この朝、あらゆる物質について、わたしが知るのではない、
ヨーロッパの山岳の、岩の斜面、
この朝、恒星の最後の爆発、
惜しむらくは、ただひとつの原子、
最善の方法で、助け出された「愛の子」でさえも、
そのひふはあまりに、
あらゆる苦悩について、あなたが知るのではない、
そしてまた、しばらくは、眠りなさい、夢とともに、
征服された、しなやかな感情のままに、
とびさる夢のままに、ひがしの方へ、
そしてまた、西の方へと、
花火です、夜空にひろがる、わたしの花です、
しずまるこころのままに、物質は、やはり、
ユークリッドの空間の「愛の子」よ、
ひとまわり、ふたまわり、恒星系の歴史のアモール、
ひゅうん、と、ひふが鳴る、
あなたの感覚する夜の闇のくらがりの、
わたしたちのひふです、
クチクラの匂いがします、
あまだれの叫びがします、
記憶の奥にはあなたのひふが、
あたらしい知識、かがりびの知識、
恒星系はむすばれています、
おしあてて、このもの、おしあてて、
闇の中には、
ひふよりかたいもの。
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