神の数理
きっと選ばれた「数」は存在しない
数理の声を聞いたと言うのは
ユークリッドの空耳にすぎない
宇宙へと出て行くアバターの心臓の音も
知ることになる鉄の立方体
数理とはコロナの背後から指し示すもの
物質の脳は物質のしくみを知らないから
そして背後からわたしは神を抱く
太陽風で進むのはここまでです
金属の体は美しい精神をあがめるようにして
岬もループする銀河も
もはや理解の領域を脱出する
アビシニアの虎、その爪のかたく
岩に立つ神殿の内部からわたしは天をあおぐ
非常に軽快に重星はまわる
人工のシナプスの両端は
数理の世界から覗き見る
閾値を記そうとするひとつの粒子
われわれの脳内の宇宙を旅する船
砂嵐をエンジンにつなぐ
そして飛翔する、それは
記憶するためのアビシニアの虎
その爪は輝く数理のまがりをしめす
口を開き、喉の奥を見せるカモシカ
宇宙は開かれた女のように内臓である
神の手で「ほしあわび」
神の手で「ほしかれい」
海岸線のうえに見るアルファ・ケンタウル
土壌ははるかに砂のうえを走る
敏感な部分が波にあらわれて
ぬしは、地表の砂を徐々にながしこむ
化粧した神の顔面に砂
それらはわれわれの銀河から旅立つ船
そして水平にこころはなびく
サンサシオン、君のえらから銀河はなびく
信仰の数理は何者も解くことはない
虎はかたい爪の先にユークリッドの空間を裂く
そしてわたしのズボンは
宇宙の壁へとつながっている
愛のように一次元で、魂のように二次元で
虎のように三次元で
もはや神秘の次元であなたに
つながっている
ナルガの城壁を崩し
立ち昇る太陽のコロナ
もはや精神のためには量子は踊らない
君はビアンカ、かしずかれた立方体
この船の次元のすき間をかいくぐり
宇宙の海、それは精神の航海する充満する蒼穹(そら)
アビシニアの高原の死
虎のひたい
神の数理
神を愛す。
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