十四度と十五度

君は壁の中へ消えて行く
ジンジャーの白い花の中へ消えて行く
一本の線の中にあらわれた人格
そして甘いしわだらけの銅鐸
ベーゼのような銅矛
君はモンデールの罪ほろぼしの貝殻
やすりをかけられた三日月型のダイヤ
ほころびる平安京
君はもはや霧の中のわたし
十四度のシグナルは生殖のためのもの
ハシブトカラスの戦い方を可能とする道順
そこでは、手を重ねて
みずからを大王とする冠を招く
助かるものは、ほころびるものである
『大和』、ワレモコウの祈りの赤茶けて
十五度の経験は愛とモダニズムを志向する
有効な手立てとしてのマンガンの機体
ちはやぶる我も、もはやたたずむ我も
信仰のあやしき受胎から
南海電車の乗客からイヤホンをはずしてくれ
アストラル、あるとらる、黄身と白身と、
短夜の偏狭なる我は至高の
魂を十六度
たたなずむ泥の壁をおしひらく
泥だらけのわたしの胴体よ、はてしなくもだえ
きみがよ、きみがなさけ、きさらぎのけだもの
フォンターナ、くちづけの、汽車は黒煙の、
乳首の金属のこのリングの痛ましく
十七度、北壁のぎりぎりの、アタック
『おまえは死んだ』
そしてモトロエン、凍死した兄さんの顔をだく
『あなたは死んだ』
それはすでに確定的事実のはしかのようなもの
千葉のおじさんから届くのは
確定した投資話、乱高下する尾張のうつけとともに
あまつさえ名古屋の城を攻撃するファントム
チャックと僕とはその機体から
永遠に落下する
兄さんの盗まれた粘土のラムダ
僕は十八度、モロッコの砂まじりのタバスコ
オルガンの音響学、減らされているボイス
革新的ボイスのランタンとしての
あなたは十九度、
ホウコグサ、ひがんばな、ミリオンの銀河から
タジキスタン、二十度、みずうみの干上がる時
核兵器を使用する
湖の水面に
わたしの顔を
二十一度。

投稿者

岡山県

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