即位

君の落とした葉が朽ちる頃
僕は見上げる程の大樹になる
君が一人の主人に捕まる頃
僕は千夜に君臨する王になる

分かってはいたんだ
僕達の未来は救われない
だからとても丁寧に
弔っていかなければならない

君の心が歌う頃
僕の言葉は人を刺す
君が陽だまりで眠る頃
僕は金の為に客を取る

分かってはいたんだ
僕達の過去は二度と変わらない
美しい明日を夢に見ては
今日という不文律を生きていく

君が愛しい世界を信じる頃
君が親しい世界を裏切る頃
運命という名前の双子が来て
主に首を垂れる
あなたという神に

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 生きるものは毎日いくつもの弔いと共に在ると思うのです。
    そんなことを刻みつけるような確かな危うさを感じます。

  2. @たちばなまこと

    ほとんどが自分にとって関係ないだけであって、
    命は常に命を犠牲にしていること、はクレーの絵本に書いてありました。
    弔っていかなければならない、と思うのは私の個人的な感想です。
    いつもコメントして下さってありがとうございます。

コメントするためには、 ログイン してください。