私
左手に溶けたアイスクリーム
右目に遠ざかる稜線
風の音しかしない口笛
右足で蹴ったゴミ箱
左耳で聞いた流行歌
海の匂いしかしない溜息
右手は枯れたサボテン
左足は錆びた自転車
人のふりしかしない影
丸い背中から昇る三日月
凹んだ胸板に沈む満月
癖毛の彼方で手を振る誰か
巻き爪の上で眠る猫
鳩尾には壊れたオルゴール
忘れた頃に突然泣き出すから
始末に負えない
左手に溶けたアイスクリーム
右目に遠ざかる稜線
風の音しかしない口笛
右足で蹴ったゴミ箱
左耳で聞いた流行歌
海の匂いしかしない溜息
右手は枯れたサボテン
左足は錆びた自転車
人のふりしかしない影
丸い背中から昇る三日月
凹んだ胸板に沈む満月
癖毛の彼方で手を振る誰か
巻き爪の上で眠る猫
鳩尾には壊れたオルゴール
忘れた頃に突然泣き出すから
始末に負えない
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コメント
一行一行がとても印象に残って。第1連から第3連の3行目が不思議で、詩情に満ち、よくわからないながらも胸を打ちます。最終連も何とはなしに哀しみがうかがわれます。とてもすてきです。
何故タイトルが『私』なんだろう!と読めば読むほど惑わされて愉快な気持ちも持ちながらスパイシーさもあり…ひとつ大きく脈打ちました。
ああ、これは良いなあ。
このイメージの連鎖というかコラージュというか。
わかると言ってはいけないが、わかる。
と言わせてほしい(^^)
@佐藤宏さん
>コメントありがとうございます
とても私的な記憶の欠片のようなものです。
おそらく読む人によっていろんな反射の仕方をするのでしょうね。
伝えてくださってありがとうございます。
「よくわからない」が正解かもしれません。
@たちばなまこと さん
>コメントありがとうございます
タイトル。。。そうだと思います。
でも「私」以外のタイトルがつけられなかったのです。
すべての行が私の記憶の欠片です。
わからない、という感想をいただきたくて
皆さんの心にどう投影するか知りたくて書きました。
@あぶくも さん
>コメントありがとうございます
わからない、が正解ですが。
わかる、も正解なのです。
皆さんが感じ取ったものがすべてで
私のリアルなんてちっぽけでつまらないものです。
暖かいお言葉、感謝します。