大樹
芽生えた時の記憶はあるだろうか
細くか弱い幹は風に堪え
雨に打たれながらそれを養分として育ち
枝を広げながら日々成長する
初めての新芽
太くなり出した幹
青々と繁る緑の葉
やがて紅葉を落とし
冬ははだかのまま
凍てつく寒さに耐え忍ぶ
春は幼年を
夏は青年を
秋は壮年を
冬は老年を
樹木の一年は
人間の一生に似ているが
一年で終わらないところも
また同じ
芽生えたての若さ
大木としての貫禄
どちらにも未来と過去がある
そして私達もまた
酸いも甘いもまとわせて
バームクーヘンのように年輪を作るのだ
やがて大樹となるように
コメント
丁寧に大樹の成り立ちを描き、ラストでしっかりまとめられていて、箴言的な作品に思いました。バームクーヘンは年輪をはがしながら食べるのが好きです。
@トノモトショウ
前回の「強さと弱さ」は自分の中でまとまりのないまま書いてしまったので、今度は時間を書けて練り上げました。バームクーヘンは大好きなお菓子なので、余分かも…と思いつつも入れてしまいました。私はミルクレープをはがして食べるのが好きでした(笑)コメントありがとうございました。
まとまっていて感嘆しました。お菓子屋さんの企業広告などに使えそうですね。(とても褒めています)バームクーヘン食べたくなりました。明日買います。
@たちばなまこと
お菓子屋さんの広告にですか!大変恐縮です(笑)バームクーヘンには酸味はないので、うーん…と思ってしまいましたが、年輪のイメージからどうしても入れたくて。バームクーヘンの宣伝になったようで何よりです!(笑)コメントありがとうございました。
コメント失礼します。
春は幼年を〜からの例えがとても綺麗で、分かりやすくそういう捉え方もあるんだと感じました。素敵な詩をありがとうございました!
@御坂葵
あの部分はだいぶ考えて作ったところだったので、そのように感じ取って頂けてとてもうれしく思います。コメントありがとうございました。
大樹の壮大な営みと、私達の日々の営みとのリンクが素敵だなぁと感じました。
「酸いも甘いもまとわせて」という表現とバームクーヘンのくだりも、
チャーミングでグッときました。
@草野まこと
おそらく私にとって、人間と自然とを重ね合わせて書くのを試みた最初の詩だと思います。お褒めにあずかり大変うれしく思います。
木の年輪のイメージで人が作り出したバームクーヘンを、何かどうしても組み合わせたくて入れ込んだのですが、チャーミングと言って頂けて照れそうです(笑)コメントありがとうございました。
植物を育てていると、人を育てることにも似ているなあなんて漠然と思っていた今日この頃、この詩を拝読してなるほど!と納得しました。
何とも壮観な、スッとした巨木を下から眺めているような気分で詩の流れを感じていたところ、、
最後のバームクーヘンで一気に目の前にお菓子のお皿が置かれてホッとして、クスリと微笑みながら穏やかな気持ちで大樹になろうと思えました。
ありがとうございます。
@TB6
確かに植物を育てることと、人の成長は似ていますよね。今回は何年も成長し続ける大きな木をイメージして書きました。お菓子のバームクーヘンを持ってくることで、木のことから人間の世界にちょっと戻すといいますか、私達みんなが大樹のように成長していけたらいいなという願いを込めて書きました。一緒に成長していきましょう!私もまだまだ頑張りたいです。ありがとうございました。
楽しいなと感じたところはバームクーヘンが大樹のようになってしまうところでした。
大樹のバームクーヘンなんて大食いの家族でも食べきれないから、ほとんどは余って
しまってプロの木こりに切ってもらってお菓子の家の木材になっていくという、流通
が成り立ってしまうとヘンデルとグレーテルの悲しい物語りが成り立たなくなるので
プロローグでヘンデルとグレーテルは優しい両親に育てられましためでたしめでたし
で、終わってしまうから、ふむ、バームクーヘンは大樹にかぎるいいねと感じました。
ちなみに私は大丸東京店(東京駅に隣接している八重洲口のほうにある百貨店)の中
にあるねんりん家のバームクーヘンが好きです。魔女も満足なんだろうと思うのです。
@足立らどみ
バームクーヘンが大樹であったとして、ヘンゼルとグレーテルのおかしの家の童話に行きつく、足立さんの想像力の豊かさに感服いたしました!
私はクラブハリエのバームクーヘンがおいしいと思いました。(普段は無印のバームクーヘンでも満足できてしまう派です)ねんりん家はとても有名ですが、まだ食べたことがないので試してみたいです。昨日のハロウィンのうちにトリック・オア・トリートと言って訪問した誰かにおねだりするべきでした(笑)
ありがとうございました。