郷愁
たわわに実る柿の木の向こうで
一日の終わりを告げるように
真っ赤な夕日が沈んでいく
またあした
またあした
カラスの鳴き声を聞きながら
子ども達が家路に着く
カタカタと音を立てる換気扇
焼き魚や煮物の匂いが漂う路地
夕方の商店街を行き交う人々
一番星の下にある古びた街灯
家々の窓から漏れる明かりが
遠い日の懐かしさを物語っていた
たわわに実る柿の木の向こうで
一日の終わりを告げるように
真っ赤な夕日が沈んでいく
またあした
またあした
カラスの鳴き声を聞きながら
子ども達が家路に着く
カタカタと音を立てる換気扇
焼き魚や煮物の匂いが漂う路地
夕方の商店街を行き交う人々
一番星の下にある古びた街灯
家々の窓から漏れる明かりが
遠い日の懐かしさを物語っていた
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コメント
自分は昭和生まれの田舎育ちなので、描かれたものに郷愁を確かに感じるけれど、そんな田舎でも最近は昔ながらの家屋や商店は少なくなり、時代がどんどん進んでいく中で、郷愁の形も変わっていくのかなあ、みたいなことを考えてしまいました。でも柿の木と夕日とか、カラスと家路とか、変わらない郷愁の形もあるでしょうね。
自分も昭和の終わりの生まれですが、書きながら「ALWAYS三丁目の夕日」も思い浮かべていました。あの映画は、戦後生まれの私の父の世代の時代だと思います。父は都内の下町育ちで、路地に面したご近所づきあいも大変で、商店街には駄菓子屋さんもあって私も子供の頃に行きました。
それぞれが思いを馳せる街並みや人や通りの風景は異なっても、また変化していっても、自然だけは変わらないのかもしれませんね。
ありがとうございます。
完全に私の子供の頃の情景ですが、それはまた完全にステレオタイプな昭和の風景であり、上述された映画にも描かれていますね。ステレオタイプって言われても事実なんだからしょうがない。私は当事者だからもの悲しさを感じてしまいます。まあそれが郷愁ってことかもしれませんね。
いやぁ、自分たちが育ってきたまんま昭和の風景の中でも「カタカタと音を立てる換気扇」が何だかリアルで最も郷愁を誘われました。ふと、令和の今、こういう風景はどう置き換わっていて、今の子どもたちが大人になる頃は何に郷愁を感じるんだろうか。昔は車とかって人が運転してたんだぜ、すごくない?みたいな??
自分は北国の生まれで、この詩のような光景は経験が無かったのですが、関東に移り住んでからはその名残はまた存在していると感じています。
“ 家々の窓から漏れる明かり”
郷愁のフィルムが上映されているよう。
@たかぼ
私の父は、戦後の貧しかった子供時代を思い出してしまうからと、あの映画を見たがらないんです。(私や母は見て感動したんですけれど) ただ懐かしさを感じるだけではなく、たかぼさんのおっしゃるように物寂しさや切なさも感じることが、郷愁なのかもしれませんね。
ありがとうございます。
@あぶくも
換気扇は、ちょっと考えて入れ込んでみたフレーズなので、注目してくださって嬉しいです。少し古びた換気扇は見たことがありそうですし。車も自動運転機能がつき始めていますしね!いまの子達は物心ついた時からスマホを触っていますし… 昔はリニアモーターカーが夢の時代でしたが、それも日本で数年後に実現しそうです。不便さや煩わしさはあっても、機械よりも人の温かみがもっと身近に感じられた過去を忘れたくないなと思いました。
ありがとうございます。
@たちばなまこと
地域によって、おそらく郷愁を感じる風景は違いますよね。北海道の方と沖縄の方は、明らかに懐かしいと思う風景は自然を含めて違うんだろうなと… 何を懐かしいと思うかによって、自分のルーツなども再認識する気がします。それでも家の明かりから、そのように普遍の郷愁を感じて頂けて嬉しく思います。
ありがとうございます。
ああ、空気まで
僕が子供の頃のことを思い起こしました
匂いまで
素敵です
すうっと入ってきました
@那津na2
焼き魚や煮物で、ちょっと昭和の懐かしさをそそる書き方をしてみました。私の子供の頃だとハンバーグやカレーでしょうか。
祖母に連れられて、何度か東京の下町の商店街に買い物に行ったことがあります。スーパーしか知らなかった私には、魚を買うときにお魚屋さんのおじさんと話したりするのが何かとても新鮮でした。ありがとうございます。
さまざまな日本人に共通するであろう懐かしさを具体的に描かれていてすてきです。その描写力がすばらしい。
@こしごえ
共通の懐かしさってありますよね。どうしてかわからないですが、実際に自分が経験していなくても懐かしさを感じる風景もあります。お褒め頂き光栄です。ありがとうございます。
今日は! さんまを七輪で焼くにおいが届きそうですね
@夢の途中
さんまを七輪で焼く!昭和っぽいですね(そしてすごくおいしそうです)懐かしい匂いを、ありがとうございます。