002

002

緩やかな人影が
街の余白を行き交う
少しだけ素っ気ない風が
秋の頁を読み進む

眠たげな排気音が
街の行間で擦れ違う
暖色の栞を拾い上げて
秋の頁に挟み込む

時間のせせらぎが
肋骨を透過していくのが
くすぐったくて微笑んでしまう

舗道を伸びていく自分の影に
置いていかれそうになった
空色の粒子が降り注ぐ午後

投稿者

東京都

コメント

  1. 比喩表現の心地良いシャワーを浴びた午後の気分です。

  2. 秋のどこかゆったりとした空気感を感じます。すてき。
    ただ、写真と本文はすてきなのですが、その題「002」というのはちょっと もったいないと思いました。前の「001」と連作?拝礼

  3. @あぶくも さん
    >コメントありがとうございます
    ちょっとやりすぎてしまったかもしれません。
    シャワーというか土砂降りでしたね(笑)
    でも、反省はしません。これが私の愛すべき悪癖だからです!
    と、可愛げなく開き直ってみる(笑)

    @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    連作ではありません。バラバラにいろいろ書きます。
    実は、画詩(写真詩)にタイトルは必要なのか、と前々から疑問でした。
    写真そのものがタイトルのようなものではないか?と。
    それなので今回から「無題」ということにしてみました。
    数字はただ判別するためのものです。
    まっとうなご意見、とても感謝しています。

  4. 素敵な読後感でした。全部好きですが、特に3連目、4連目が心地よくて、
    なんだか心がふぅーっとしました。

  5. @草野まこと さん
    >コメントありがとうございます
    私も心がふぅーっとした瞬間にシャッターを切りました。
    実は、3連目と4連目は後から継ぎ足しました。
    全体としてなんとかまとまったようで安心しました。
    伝えてくださって、ありがとうございます。

コメントするためには、 ログイン してください。