月の隠れる夜に

欠けゆく月を合図に始まる
妖精達のロンド
草葉の陰で
虫達の音楽に合わせて
夜風をまとって

誰かが来たわ
隠れて 隠れて
人間たちに見つからないで
しずかに しずかに

三日月に欠けていた月はやがて
妖しく赤いミラーボールとなり
夜空は異次元の世界に変わる

風と星が
妖精達を先導する
しとやかに踊って
しめやかに歌って

赤い月が消えていき
輝く満月が姿を現したとき
虫達の演奏はすでに止み
草葉の陰には もう誰もいない

投稿者

コメント

  1. 夜想曲のようにロマンチックで、最後の連で何かが終わり何かが始まりそうです。

  2. 何百年ぶりの皆既月食で、しかも妖精達のロンドまで見られたなら、めちゃめちゃラッキーですね!

  3. 何とも可愛らしい世界観。自分でも驚いたことに、皆既月食を見ることさえできなかった先日のことを悔やんでいたけれど、この詩が読めてとても健やかな気持ちになりました!

  4. @たちばなまこと
    ちょっと最後の部分、何かを含ませた感じで終わらせてみました。また次に何かの月食や流星群があったら妖精達が出てくるかも…!?ありがとうございます。

  5. @トノモトショウ
    ちょうど、満月の状態から三日月まで欠けたところまでは見れたんです。月が完全に隠れた状態のは、ネットにあがっている赤い月の幻想的な写真を見ながらインスピレーションを得て書きました。ありがとうございます。

  6. @あぶくも
    満月から三日月に欠けるまで、たぶん30分位でしたが非常に不思議な光景でした。私も、完全に月が全部隠れたものは、ネットの画像で見たんです。不思議なことが起こっていたら面白いなと思い、想像して書いてみました。ありがとうございます。

  7. 幻想的な童話を読んでいるような読後感が残りました。皆既月食は、私も、ずっと眺めていましたが、その間に、こんな妖精たちに出逢えたら、…ちょっとどきどきします。

  8. @長谷川 忍
    皆既月食に魅せられて、ちょっと不思議な作品を書いてみました。ラストは考えずに書き始めたのですが、皆既月食とともに妖精たちを退場させてみました。期間限定の秘密のお楽しみを描いてみました。ありがとうございます。

  9. レイブラッドベリの短編に詩をつけたらこんな感じになるかな、と思いました。良いですね。

  10. @たかぼ
    レイ・ブラッドベリがよくわからなくて調べました。長編の「華氏451度」はタイトルだけ聞いたことがあります。気に入って頂けたようで何よりです。ありがとうございます。

コメントするためには、 ログイン してください。