スールレアリスム

俺の腹の上で尻をゆする女
この女は何を欲しがっているのか
酒のボトル、タバコ、忘我、
ところで俺の隊は今日出発するのだ
そしてフィニッシュ
ガンサックからピストルを抜いて
女の額に一発、発射
あいつを呼んで〈片付けろ〉と言い
さわやかな陽射しの外へ出る
ところであいつは頭の切れるやつだ
死姦したことはあるのかな
枕を顔にのせて・・・
額の血をなめて・・・
それとも腹から上はシーツで覆って・・・
それはまるで新しい芸術活動のようだ
あいつは俺のあとをねらっているのか
ジープに乗る
方針が変われば俺たちの行き先も変わる
次の変更は何日先のことだか
ジープの風防ガラスはきれいだ
すきとおった風が
俺の魂を過ぎていく
絶望していた頃の俺ではなくて
戦闘の中で美しい瞬間を感じる俺だ
神の永遠の戦いがこの地上でつづいている
死と喜びがひとつになって
この大地の実在する生の内に
かがやく日々の実在する
我々の存在の意味
それを感じる、それを信じる
死んだ者の血は、このあさましい大地に吸われて行く
あの女の血も
蛆虫たちの養分となって
いつしか大地のあさましい美の一部となる
時計を見る
ジープは落葉した樹々の間を
すばらしく早く走る
小枝を踏みつぶし、時々死体をかわし
けれどいつかドローンが空にあらわれ
一瞬にしてジープはふきとぶ
そうなれば、ボンッ・・・
フィニッシュ
俺は肉片となって飛び散る
その報告を聞いて
あいつがニタリとする
まあいいか。

投稿者

岡山県

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