お母さんと走った頃

お母さんと小さい頃
公園でもどこへでも
走ったりして行っていた

それがお母さんが歩くのが遅くなり
僕は先に行って待っていた

お母さんは歩けなくなり
ベッドの上で人生の歩みを止めた

それから何十年経ったろう
僕が歩けなくなりベッドの上だ

僕が思い出すのは小さい子供の頃
お母さんも僕も走れたね

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 時間とは、思い出すものだと、最近つくづく感じるのです、生きたということは、思い出すということ、そしてそれを、かみしめること。しっかりと骨格のあるところから、その先へ。

  2. 坂本さん、コメントありがとうございます。
    私にはおそらく先がないと思うのです。今は元気ですが、いつ覚めない朝が来ても不思議じゃないのです。
    詩が溜まっています。それらを公開したいのですが、詩集を作ることは容易ではありません。
    お金に余裕があればいつでも作れますがそういう訳にもいきません。
    でもいつの日かここでは書いていないような詩で溢れた詩集を作りたいと思います。

  3. 俳優は亡くなった後も、映画や再放送のドラマの中で生き続けている気がして、いいなぁと思っていました。
    同じように、詩人も自分の書いた作品を生きていた証として遺せますね。その意味では、自分がいつか旅立ったあとにも残るようなものを趣味とすることができて、良かったのではないかなと私は思っています。クリエイティブなのはやはり良いことですね。

  4. さはらさん、コメントありがとうございます。
    田村正和さんはあの存在感でしたので、今でもこの世にいないことを信じられません。でも今から見ると現世にいた彼は束の間存在した神様のような気がしています。
    詩を書く人が残せるのは詩集ですね。有名な詩人と違って残せるのは一生に一冊ですね。それが叶えば素敵だと思います。

  5. 言葉は軽やかですが、内容は重厚だと思います。とてもすてきな詩だと思いました。

  6. 佐藤宏さん、コメントありがとうございます。
    この詩は事実を元にしています。思い出すと涙が出てきます。
    事実に勝る真実はないと思います。

  7. はじめまして。初めてコメントさせていただきます。
     私も書く詩はすべて、実話を元にしたものばかりです。どれだけ思い出を自分で客観視できているのか。それによって、私は改稿の回数も違ってきます。
     読ませていただきました、こちらの作品が私にも胸にグッときました。

  8. りりーさん、コメントありがとうございます。コメントの数が多ければやる気を出してもっと書くのですが。遠慮深い方が多くて。この詩は最後の二行を入れ忘れました。

    遠い思い出が甦り
    熱い嗚咽に肩が震える

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