黄昏

空の窓が開いて
夜の帳が
見え隠れする夕暮れ

時の欠片を拾い集め
寂しさを手懐けて見るが
所詮 付け焼刃では
弄ばれるのが関の山

昼と夜の間に
想いも涙も一緒に落とす

冷たさを詠う風は
ひゅるひゅると儚さを増し

夕空は雲を茜色に染め
明日への準備に余念がない

街中の景色も
暮色を浴びると
足早に
イルミネーションに彩られて行く

そうして
くたびれた今日も
欠伸をする暇も無く暮れて行く

取り残された私は
背中を丸めて
迷い子の様に貧しく歩いている

投稿者

コメント

  1. 言葉の選択に独自のものが生まれて来る予感を見ます、それはそのまま「時間へのこだわり」とも言えそうですが、言葉を選び取ることの奥行と、危険性、そのあたりに、快感もあれば、泥沼もある、むしろ泥沼に沈むことで、言葉は生き返るのか。

  2. 坂本様 奥深いコメント有難うございます

  3. 黄昏は自分の心の裏口もこっそり開けてくれるような気がします。
    取り残されるような心情がとても丁寧に描かれていますね。

  4. 何時も有難うございます  黄昏時は暮れて行く寂しさを何処かに感じますね

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