009

009

久しぶりに
馴染みの店に
掃き寄せられた
落ち葉の面々

互いの無事を
半ば涙目で喜びつつ
とりあえずハイボールで
万感をこめて乾杯する

真っ赤に出来上がるヤツ
いつまでも青いヤツ
中途半端にスカすヤツ
程好く虫に喰われているヤツ
たとえ枯れても落ちないマドンナ

ひとつひとつの
不確かな影も
集まって重なれば
景色になる

色とりどりの
酔いどれ落ち葉が
冷たい季節の波間を
ゆらゆら漂う

投稿者

東京都

コメント

  1. 落ち葉といってもさまざまですね。人もさまざま。
    落ち葉からこういう詩を書けるnonyaさんの優しくて柔軟な視線がすてきです。

    3連が楽しいです♪

    ひとつひとつの
    不確かな影も
    集まって重なれば
    景色になる
    4連のここが特に好き。
    そして、最終連の余韻がゆらゆら響きます。

  2. 酔詩ですね。さまざまな酔い方があって、生き方があって、…マドンナもいて。
    誰がマドンナを口説く?のだろう。
    落ち葉たちの再会。人恋しい季節です。

  3. @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    まだまだおおっぴらに飲み会、って雰囲気でもないんですが
    寒くなってくると人とのふれあいが恋しくなりますね。
    実は、4連だけが先に書けていました。気に入っていただけて良かったです。

    @長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    そうそう、酔詩なんです(笑)
    中には困ったヤツもいますが、酔い方は人それぞれで、どれも可愛いです。
    マドンナは絶対に落ちないので、ただ鑑賞するだけですが
    年々凄みを増して近寄りがたくなっているのも事実です(笑)

コメントするためには、 ログイン してください。