ランボオはかく語りき
すみやかに船は出発する
航路は非常識に引かれて歪んだまま
パンくずは船底から黒炭の煙のまま
ネズミどもは、ひるがえって頭をぶっつける
俺たちの存在のままならぬ東洋の港へと
はすかいに構えてヒンズー教徒の懐のベルが鳴る
こうしている間に開かずの扉から潤沢な宝石たちが逃走する
為替相場の紳士諸君、君たちは紙くずとなれ
船の帆はベルギー産のダイヤモンドが化学反応する
緑のくちびるから、毒針が飛び出し、野郎どもの首に刺さる
はしゃぐばかりの女どもを海底に沈めろ
氷の服ではしごを登れ、きゃつらは、
おいそれとは頷きはしない
太陽航路、島々の火山は噴火する、デスバイ
本当の真珠貝は人間を飲み込むだろう、デスバイ
俺から見ればジャポンはまるで水彩画である
巨大なクジラを解体して、しかも骨一本残さない
ジャポンはまるで、海の新鮮な装身具だ、デラバイ
そこで俺様はひどく機嫌を損ねて、デラバイ
波の上に邸宅を築くだろう、青いテラスのある
筋肉質の部屋が真中にある、はじらうように俺は眠る
海よ、逆巻け、愛よ、進軍せよ、ドカンと
愛の進軍は俺を海底に沈めるだろう、ドカンと
それからはおおくのシンボルが回転する、無数のシンボルが抵抗する
島と島の間に北極熊が、わびしくたたずむ
そいつを見ただろう!
そいつの横から、海を見ろ!。
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