010

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落ち葉を踏みながら
色を失くした
公園を歩いていた

空の青さが痛くて
背中を丸め
家路を急いでいた

石段を降りようとした時
視界の端を
何かが掠めて

つっと

立ち止まる

冬の色があった

吹き下ろす寒風の中
凛と咲いていた

ふうっと

胸の奥が温かくなった

その冬の色は

あなたの笑顔に似ていた

投稿者

東京都

コメント

  1. 師走の慌ただしい空気感と白や灰色の寒空に、ふと見やった山茶花(茶梅)でしょうか、にあなたの笑顔を思い浮かべる対比がとても素敵ですね。ハラリハラリと散る姿もまた風情がありますよね。

  2. 色の無い情景と色のある情景の対比がすばらしいです。
    そして、
    ふうっと

    胸の奥が温かくなった

    その冬の色は

    あなたの笑顔に似ていた
    というところに詩の躍動感があって、拝読して思わず、やったー という気持ちになりました。すてきです。

  3. お写真、山茶花でしょうか。冬は、色彩がどこか希薄になります。そんな時、花の鮮やかな赤さを目にすると、気持ちも和らぎますね。温かくなる。この詩も温かいです。

  4. @あぶくも さん
    >コメントありがとうございます
    山茶花はなかなか綺麗に撮れないんですよね。
    形の良いものを探しているうちに身体が冷えてしまって
    あなたの笑顔より熱いコーヒーが欲しくなります(笑)

    @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    前半たたみかけて、途中からふわっとスローモーション
    みたいな展開を狙ったのですが。。。
    そこはかと感じ取っていただけたようで、良かったです。
    ひらがなの「すてき」は最高の誉め言葉です。

    @長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    寒くなるとどうしても温かいものに惹かれてしまいますよね。
    温かい詩は書いている者も温かくしてくれるような気がします。
    私達は見えない自家製ホッカイロを持っているのかも(笑)

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