011
「それ」は
折り重なった
日々の隙間に
潜んでいる
「それ」は
たわいない
会話の繋ぎ目に
紛れている
望んでも望んでも
手に入らない
「あれ」ではなく
集めても集めても
何の役にも立たない
「これ」ではない
どんなに
見上げても空に
「それ」は
書かれてはいない
どんなに
聞き耳を立てても風は
「それ」を
語ってはくれない
自分の「どこか」が溢れて
「なにか」が伝い落ちる時にだけ
「それ」は
見える
見慣れた景色の
呆れるほど真ん中に
「それ」は
咲いている
コメント
かさなる落ち葉と咲くそれの、写真とのシンクロが巧みです。
余談ですがミルフィーユ食べたくなりました。
@たちばなまこと さん
>コメントありがとうございます
近所の公園を歩いていた時に見つけた「それ」です。
ミルフィーユは、食べ辛さが魅力の「あれ」ですね(笑)