タイムライン

紅葉のつらなる通りを
歩いている。

大岡川の水を眺めてみる
さえざえとした中に
晩秋の夕景が
滲んでかすむ。

もうすぐ師走
何かが変わったわけではない
訥々とした繰り返しだ。

スマートフォンを覗く

SNSをチェックする

いつのまにか
それが習慣づいてしまった。

あるコラムに
書かれていた言葉

―タイムラインを
 自分らしく育てていく

オンライン空間を
育てていく
この言葉に
気持ちが、ふっと揺れた。

幾人かのフォロアーが
思い浮かんだ

彼らの
宇宙を
芳醇な空間を
ちいさな人生を。

宵のJR桜木町駅前は
少し、寂しい。

何かが変わったわけではない
訥々とした繰り返しだ。
それでも

信号が青になった。

投稿者

東京都

コメント

  1. 「訥々とした繰り返し」
    この表現が味わい深くグッと引き込まれました。

  2. @あぶくも
    あぶくもさん、日常というのは、本当に、訥々とした繰り返しなのかも、と思います。時折、変化はありますが、基本は繰り返しですね。オンラインの中も、同じ。その人が見えます。…つまりは、人生なのかな。

  3. スマホの中にも訥々とした流れがあるんですよね。
    流れを眺めながら、自らも流れながら
    その人なりに川面を彩っていくのでしょうね。

  4. 生活詩って生活していると感じることができるので
    優劣云々でなく言葉と一緒の生活が伝わってきます。

  5. @nonya
    nonyaさん、SNSの、各人のタイムラインを覗いていると、その人の、流れ、積み重ね、が見えてきて、不思議な心持ちになることがあります。オンラインも、ひとつの人生なのかもしれませんね。

  6. @足立らどみ
    足立さん、私の場合、実際の日常を題材に詩を書くことが多いかもしれません。生活は、個々の積み重ねで、優劣ではありませんね。…味わうものなのかな。

  7. 〈タイムラインを
     自分らしく育てていく〉

    この言葉に、タイムラインはその人の人格でもあり、自分自身の成長の目安にもなるのかな…と思いました。

    他人の目に触れるネット上の言葉は、暴走させずに、自分でコントロールする術を持ち合わせることが、大人の矜持なのかもしれませんね。。

  8. @渡 ひろこ
    渡さん、ネットは、いわゆる公共空間です。発する言葉に大なり小なり「責任」が伴ってきます。そのことには常に自覚的でいたい…。SNSのタイムラインは、遡って見ることができますので、自らをも含めてその人の時間の流れが見えますね。時間の流れ、つまりは人生かな。

  9. 「それでも

     信号が青になった。」とてもとても、グッときました!
     

  10. @草野まこと
    草野さん、ありがとうございます。とりあえず前に進んで、という意味合いを込めてみました。タイムライン。もうひとつの人生ですね。

  11. ふと、この詩を読んでいました。
    タイムライン、、SNSは、怖くてやってなくて、ここの投稿サイトくらいなのですが、自分の過去の詩やら誰かの投稿へのコメントやら、嗚呼、と覆いたくなる気持ちです、、(自戒の念)

    育てていく

    そんなこと、自分にできるのだろうか、と自問します(それも自分らしさかしら)。
    ただ、揺れる、というのは、そう、揺れていけたらって、思いました。
    赤から黄にかわり、青になる信号もあってもいいよな、と青臭いことが浮かびます。。

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